社長コミットメント
「地球内企業」 として、世界中で信頼される存在であるために
――― 株式会社 東芝 代表執行役社長 西田 厚聰 (にしだ あつとし)
イノベーションを起こし、CSR経営を遂行します
私は2005年の社長就任時から、「利益ある持続的成長の実現」のために「イノベーションの乗数効果の発揮(注1)」と「CSR経営の遂行」を経営方針に掲げ、東芝グループを指揮しています。
東芝がめざすイノベーションは、技術・商品開発、生産、営業活動という事業活動のすべてにわたって起こすものであり、2006年10月に制定したブランド・ステートメントで改めて定義しました。このステートメントの目的は、東芝ブランドが約束する価値を明確にし、ステークホルダーの皆様にご理解いただくことです。当社の揺るぎない使命感を、“Leading
Innovation”という簡潔な言葉に凝縮しました。今後、このステートメントのもとで、次々とイノベーションの波を起こしていきます。
そして、その基盤となるのが「CSR経営の遂行」です。世界の国々や地域において社会から信頼される存在であってこそ、東芝グループの持続的成長が可能になると考えるからです。
注1) |
イノベーションの乗数効果の発揮:技術や商品の開発、生産、営業という3つのプロセスでそれぞれイノベーションを起こし、掛け算(3乗)の効果を得ようとすることを意味します。イノベーションの頭文字の
i と、3乗(タテ×ヨコ×高さ)式で立方体になるという意味で「icube」と名づけています |
「地球内企業」として、より良い地球環境の実現とエネルギーの安定供給に貢献し、多様性を尊重します
CSR経営を遂行していくため、社長就任以来「地球内企業」という考えを、社内外に訴え続けています。「地球内企業」という言葉には、2つの意味を込めています。
一つは、より良い地球環境の実現のために先導的な役割を果たしていくこと。もう一つは、世界のそれぞれの国々や地域の文化や歴史、慣習の違いを認識し、尊重する企業であること。この2つをもって、豊かな社会の発展に貢献していきたいと考えています。
お客様、株主・投資家、従業員、地域社会、調達取引先など東芝グループのステークホルダーは、地球全域に広がっています。ステークホルダーの皆様がそれぞれ固有の文化や風土、歴史、慣習を持っていることを認識し、ダイバーシティ(多様性)を尊重しながら事業を進めていきます。各地各様のニーズに的確に応え、さらに東芝グループのそれぞれの職場においても多様な人材が働き、活躍できる環境を整えることにより、多様性を東芝グループの強みとしていきたいと考えています。
こうした考えに基づき2004年1月から、「人権・労働・環境・腐敗防止」についての普遍的原則を掲げた「国連グローバル・コンパクト」に参加しています。東芝グループは、「地球内企業」としてさまざまな視点で社会の持続的成長の実現に貢献していきたいと考えています。
生命・安全、コンプライアンスを最優先します
CSRを果たすための行動原則は「生命・安全、コンプライアンスの最優先」です。2006年度には全事業で営業、技術、生産をくまなくカバーするリスク・コンプライアンス体制を再構築しました。
さらに、12月を新たに東芝グループのCSR月間と定め、私からも世界の従業員に直接メッセージを発信し、各自のCSR自己点検を指示しました。また、CSR推進責任者を事業場、グループ会社ごとに選任し、各拠点においてCSR推進体制を整え、各種CSR施策を実行しました。
生命・安全を脅かす事故の発生を防ぐため、商品の安全確保を強化・推進することはメーカーの責務です。2007年6月に東芝グループとしての責任体制を明確化するなど品質保証体制を再整備し、今後とも安全で安心な商品の提供と、安全に使っていただくための情報提供に努めます。
ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションをいっそう重視します
CSRを果たすためには、お客様、株主・投資家、従業員、地域社会、調達取引先など東芝グループをとりまくステークホルダーの関心事を知り、その変化を敏感に察知してお応えすることが必要です。
CSR経営を遂行するうえで、東芝グループの事業活動が世界の各地域でどのような影響を生むのかを把握することが不可欠です。そのために、今後も世界の各拠点のステークホルダーの皆様とのコミュニケーションをいっそう重視していきます。
東芝グループは、「地球内企業」として責任を果たし、ご期待にお応えしてまいりたいと考えますので、皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
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