トピックス     2009.1

      トヨタ系の派遣労働者労働組合結成!
       
生存かけ たたかい すすめる!!

         トヨタ期間従業員 職場日記 
(その4) 
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 もう我慢できません。 「派遣切り」 や、派遣会社の無法な支配とたたかおうと、トヨタ系の大手自動車部品メーカー 「フタバ産業」 (本社・愛知県岡崎市) で働く労働者たちが労働組合を結成。 1月18、同県安城市で労働相談会を開きました。 参加者たちが次つぎ現状を訴えました。
(下の写真)

 JMIU (全日本金属情報機器労組) 愛知地方本部の平田英友執行委員長は、「トヨタやフタバには十分な力がある。 雇用を守らせる取り組みを進めよう」 とよびかけました。

 参加した40代の男性労働者は、「自分も一週間後に首を切られるかもしれない。 一人で悩むより、みんなと力を合わせたい」 と話します。

 彼らが所属する派遣会社は 「大洋荷役」 (本社・同、大竹昭宏代表取締役)。 ここで、いま起きていることは―― 。

  行き場ない。 ここを変える!

 団体交渉の申し入れ書を手にほほ笑む男性Aさん(55)は、昨年5月、派遣会社 「大洋荷役」 (本社・岡崎市、大竹昭宏代表取締役) の求人広告を見て、沖縄県から出稼ぎに来ました。


 学生の子どもが2人います。 沖縄で見た広告には 「月収35万円以上可」 「2食付の寮完備」 とありました。 派遣先は、トヨタ系の大手自動車部品メーカー 「フタバ産業」 (本社・愛知県岡崎市)。 一生懸命に働けば、家族を養えると思いました。

 そして現在、Aさんは 「解雇」 を言い渡されています。

 理由の説明はありません。 期日は2月13日。 しかし沖縄には帰れません。 飛行機の切符が買えないのです。 ある月、Aさんが手にした金額は7万7572円。 21日間働いてです。

 これまでに、多くの同僚が首を切られたり、夜逃げするさまを見てきました。 派遣社員は、そんなものかと思っていました。

 いまは違います。 解雇は撤回させられると知っています。 そして労働組合の仲間がいます。

 「ほかに行き場はない。 だから、ここを変えるしかないんです」。 JMIU (全日本金属情報機器労組) 大洋荷役分会の分会長のBさん(50) は、そう話します。 結成されて10日ほどの分会です。

 「全国に組合や共産党の仲間がいます。 そう思うと、勇気がわいてくるんですよ」

  プレハブの寮 食事は1回

 大洋荷役が労働者を派遣するフタバ産業は、東証一部上場。 資本金118億円。 自動車用マフラーでは国内最大手の大企業です。

 Bさんたちは幸田工場 (愛知県幸田町) で、フォークリフトを使った仕分けなどの作業をしています。 部品はトヨタに送られて最高級車 「レクサス」 などになり、世界に輸出されています。

 その生産を支える労働者は、「奴隷」 と言える状況です。

 大洋荷役の労働者の時給は1,100円。 月収は18万円ほどです。

安城市のはずれ、畑の中に建つ大洋荷役の寮。
鉄骨プレハブで防音も断熱も満足にされていない

 そこから 「寮費」 が5〜6万円引かれます。 寮はプレハブで、部屋は2×3メートルほどの狭さ。 風呂、トイレ、流しは共同。 食事の提供は、仕事のある日のみ、一度だけです。

 工場への送迎はなく、車がないと通勤できません。 10数年前の軽自動車を借りさせられ、これも月に1万8千円。 ガソリン代は自己負担です。

 生活のために、賃金を前借りせざるを得ません。 その分は翌月の賃金から差し引かれます。

 社会保険なし。 国民健康保険料を払えず、無保険状態です。

 一方的な解雇も常態化。 100部屋ほどある寮は、昨年夏、ほぼ満室でしたが、いまは6、7割しか埋まっていません。


月収が 「27〜40万円可」 とうたう大
洋荷役の求人広告。沖縄で配られた
  クビ宣告 「俺…今怒ってる」

 この寮で、JMIU大洋荷役分会は組合員を増やしています。

 きっかけは、昨年12月30日。 Aさんが、求人広告のコピーを寮の食堂に張り 「話が違うじゃないか!」 と同僚たちに訴えたのです。

 騒ぎを聞きつけた大洋荷役の常務は、飛んできて 「お前は首だ! いますぐ出て行け!」 と怒鳴りつけました。

 この光景を見た同僚のBさんは、身を震わせました。 自他ともに認める温厚な性格、というBさんは 「俺(おれ) … いま怒ってる」 と感じました。

 そのとき、頭に浮かんだのが2月にテレビで見た、日本共産党の志位和夫委員長の国会質問。 キヤノンの派遣労働の実態を取り上げ、企業の責任を追及したのです。
 「自分の思いを代弁してくれていました。 それ以来、ずっと頭の片隅に共産党があった」

 「共産党に相談したらどうか」。 Bさんが声をかけました。 うなずいたAさんが104番で愛知県委員会の電話番号を調べ、連絡。 西三河地区委員会の高林誠常任委員(66) が駆けつけました。 解雇は無効と説明する高林さんは、大洋荷役に電話。 ただちに解雇を撤回させました。

 高林さんはJMIU愛知地方本部を紹介。 分会が結成され、1月8日、大洋荷役に組合結成通知と、解雇の撤回や待遇の改善を求める団体交渉の申し入れ書を送りました。

 組合に入った男性(51) は語ります。 「組合ができて、ちょっとホッとしています。 『一人じゃない』 という安心感というか…。 仕事自体には、これっぽっちの不満もありません。 働き続けられることだけが願いなんです」

 Bさんは言います。 「派遣社員でも入れる組合があるなんて知らなかった。 もう、同じ思いをする仲間を生ませたくない。 自分たちが、この職場を変える」

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2009年1月19日付、    同党のホームページ

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                 トヨタ期間従業員 職場日記 (その4)

 トヨタ自動車の渡辺捷昭社長ら幹部は、昨年の12月22日、3月期決算で1,500億円の営業損失 (純利益は500億円) になること、 9,000人(1月)、4,700人(11月) の期間従業員を3月には3,000人にすることを発表しました。 20代の期間従業員、篠田哲男さん(仮名) は、“非正規切り” の実態を 「職場日記」 に書きつづっています。 今回はその4回目。



    年末に20人解雇、寮は不気味な静けさ

12月20日 6月で切られた派遣労働者、栄作君が訪ねてくる。 トヨタの下請け会社の派遣労働者になったが4カ月を残したまま昨日、切られた。 「もう頑張れない」 という。

12月22日 渡辺社長の記者会見のニュースをテレビで見る。 まだ1,700人も切るという!

12月24日 日本共産党の志位和夫委員長がトヨタの古橋衛専務らと会談したニュースを夕刊で読む。 志位さんが 「トヨタの社会的責任は重い。 巨額の内部留保や配当を行っており、大量解雇する理由はない」 と主張した。 僕らの気持ちを代弁してくれる。 本当にうれしい。

12月30日 5人分の布団が寮の玄関に出されていた。 年末で20人くらい切られたようだ。

12月31日 わずか1年間で切られた(11月26日) 友人の正次君(25) から、「元旦をいっしょにすごさないか」 と電話がある。 正次君はハロ一ワークで仕事をさがしている。 「いやな年だった」 という。 僕は、正次君をふくめ半年間で8人もの仲間のお別れ会をした。

1月1日 正次君と神社へ初詣で。 僕は、「非正規切りがストップされますように」 と願った。 寮にもどるが、不気味なくらい静かだ。 夜、沖縄出身の徹さん(50) が部屋にくる。 2月で契約満了になる。 「沖縄では仕事はない」 と徹さん。 テレビが、東京の 「年越し派遣村」 のニュースを流している。 湯浅誠村長らの頑張りが目に焼きつく。

1月13日 2月に全社いっせい休業日が5日ある。 休業手当は8割の支給という。 僕の契約期間はあと3カ月。 これ以上の非正規切りはやめてくれ!

無人となったトヨタ田原工場の期間従業員
の寮。手前は、カラのごみ箱
=愛知県田原市

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗・日曜版」 2009年1月18日号

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