製造業で働く派遣・業務請負労働者の失業が今年3月末までに40万人に達する見通しであることが1月27日、業界団体の試算で分かりました。
製造業への派遣・請負会社が加盟する日本生産技能労務協会、日本製造アウトソーシング協会の2団体が共同でまとめました。
両団体の会員企業は120社。 約25万人 (08年9月現在) が雇用されていましたが、加盟各社への聞き取り調査の結果、3月までに契約期間満了に伴う
「雇い止め」 や期間途中の契約解除による解雇などで約10万人が削減される見通し。 製造業の派遣・請負労働者は全国に約100万人とされていましたが、加盟各社の契約状況から推計すると、3月末までに職を失う派遣・請負労働者は全国で40万人に達するとみています。
厚生労働省は昨年末、3月までに職を失う非正規労働者が8万5000人余と発表していました。 製造業が96%。 大半が派遣労働者ですが、そのうち違法な中途解除が過半数を占めました。
業界団体の試算によると、厚生労働省の調査結果をはるかに上回る規模で、「非正規社員切り」 が計画されていることになります。 契約期間中の違法な解雇をやめさせることはもちろん、巨額の内部留保など体力が十分ある大企業に雇用を維持するよう、同省の
「非正規切り」 防止通達も生かした強力な指導が求められています。
06年に製造業派遣となった労働者は今年3月以降、次々に最長3年の契約期限切れを迎えることになりますが、違法な中途解除が横行しています。 厚生労働省の通達は、契約満了の
「雇い止め」 でも、乱用すれば違法になる場合があるとし、雇用維持のための 「啓発・指導」 を各都道府県労働局に指示しています。
自動車主要12社… 内部留保の一方で
期間・派遣削減 2万4000人! (3月期計画)
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国内自動車メーカー主要12社が2009年3月期に打ち出した期間社員・派遣社員の削減数が計約2万4240人にのぼることが明らかになりました。
時事通信社がまとめたもので、昨年12月初めまでに公表した削減数は1万4000人で、1〜2カ月で1万人以上積み増したことになります。 一方、生産台数の減産は12社で318万台にのぼっています。
トヨタは公表ずみの6,000人に加えて、残る3,000人の削減も計画しており、これを加えると約2万8000人に達します。 ホンダ、日産など6社の非正規社員はゼロになります。
業界の非正規労働者は年度当初3万2000人でしたが、8割弱が削減されることになります。
自動車業界全体でみると主要13社では、業績見通しを下方修正してもなお1〜2兆円規模の経常利益を見込み、株主配当も計画されています。 内部留保残高は2000年9月の15.3兆円から08年9月の29.4兆円へと倍近くにまで積み上がっています。
全労連などでは、株主への配当を減らすか、内部留保のごくわずかを取り崩すだけで人員削減を中止し、雇用を守ることができるとして、雇用を守る社会的責任を果たせと求めています。
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