トピックス     2008.12

      いすゞ非正規社員労組結成!
    違法解雇撤回・正社員化を求める!!
       − 解雇は無効… 仮処分申請 −
  トップページへ       <トピックスの目次の頁へ>

          【 期間社員が解雇無効の仮処分申請 】 ジャンプ           【 我慢限界! 労組結成!! 】 ジャンプ 


          栃木工場の4氏が結成

 いすゞ自動車による違法な期間・派遣社員の全員解雇の撤回と正社員化を求めて、解雇通告を受けた非正規労働者が12月3日、宇都宮市内で労働組合を結成しました。

 栃木工場(栃木県大平町) の期間・派遣社員ら4人で、JMIU (全日本金属情報機器労働組合) いすゞ自動車支部を結成しました。

 同工場で解雇通告を受けた派遣社員は274人、期間社員が156人にのぼります。

 支部執行委員長に選ばれた松本浩利さん(46) は 「不当な解雇と断固としてたたかっていきます。泣き寝入りしないで一緒に声を上げていこうと呼びかけたい」 と語りました。

 大会では、全労連、JMIUの代表らが 「違法な解雇を撤回させ、大企業に社会的責任を果たさせよう」 「全国の非正規労働者を励ます。 全国の支援と連帯で解雇を撤回させよう」 と訴え。 解雇撤回と正社員化などの要求を確認し、「いすゞ自動車は企業利益のみ追求する経営姿勢を改め、いまこそ企業の社会的責任を果たせと強く求める」 とのアピールを採択しました。

メディアが注目する中、開かれた JMIU いすゞ
自動車支部結成大会   
=12月3日、宇都宮市

 派遣社員の男性(23) は 「来年4月まで働けると思っていたのに解雇とは許せない」、再雇用の契約社員の男性(60) は 「会社の利益を支えてきた人たちにどうしてこんなことができるのか。 解雇を撤回させたい」 と語りました。

 労組は12月4日に組合結成を会社側へ通告。 解雇撤回を求める仮処分申請を宇都宮地裁栃木支部に起こします。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年12月4日付、     同党のホームページ

  トップページへ           <トピックスの目次の頁へ>                              この頁のトップへ

 
     いすゞ解雇は無効… 期間社員が仮処分申請

                          − 宇都宮地裁支部へ

 契約期間中の解雇は無効だとして、いすゞ自動車栃木工場(栃木県大平町) の期間社員、松本浩利さん(46) ら2人が12月4日、解雇予告の効力停止と賃金の仮払いを求める仮処分を宇都宮地裁栃木支部に申し立てました。 労働者側弁護士によると、非正規労働者が解雇通告の無効を求める仮処分申請は初めて。

 松本さんらは12月3日、解雇撤回と正社員化を求めてJMIU(全日本金属情報機器労働組合) いすゞ自動車支部を結成しました。 松本さんらは9月、雇用契約を来年春まで更新していましたが、いすゞは期間・派遣社員1,400人全員を、需要減を理由に11月17日、今月(12月)26日付で解雇すると通告しました。

 申立書では、有期雇用の中途解雇については労働契約法で、経営危機など 「『やむを得ない事由』 がなければ解雇できない」 と定めていると指摘。

 600億円の利益を見込み、株主配当を17億円も増やす同社が 「経営危機といえるような状況にはなく解雇は無効」 としています。

仮処分の申請後に記者会見する
松本氏
(中央)=12月4日、栃木市

 必要性や解雇回避の努力、労働者への説明・協議など 「整理解雇の4要件」 さえ満たしておらず、解雇無効は明白だとしています。

 記者会見した松本さんは 「解雇されたら生きていけない。 企業は雇用を守るためもっと努力してほしい」 とのべ、別の組合員も 「必要なときは人を集め、不要になったら首を簡単に切るやり方は許せない」 と話しました。

 鷲見賢一郎弁護士は 「労働法の学説や厚労省通達、判例からみて露骨な法律違反であり、暴挙といえる」 と強調しました。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年12月5日付、     同党のホームページ

  トップページへ           <トピックスの目次の頁へ>                              この頁のトップへ

 
         我慢限界!   労組結成!!

       有休とらず残業・休日も ◆ 正社員めざし懸命に働いた

 非正規労働者1,400人を契約途中で解雇するという、いすゞ自動車の無法に屈せず立ち上がった期間・派遣社員たち。「使い捨ては許さない。 正社員にせよ」 と労組 (JMIUいすゞ自動車支部)に入り、解雇撤回を求めて裁判に訴えた労働者の思いは―― 。 
(深山直人)

 「もう黙ってはいられません。 泣き寝入りしたくない。 奪われた仕事、当たり前の生活を取り返したい」 組合員のAさん(48) は、こぶしを握りしめながら語りました。

 来年4月7日まであった契約が11月17日、突然、打ち切られました。 いすゞは減益とはいえ600億円の利益を見込み、株主配当を17億円も増やす一方で、労働契約法で厳しく規制されている有期雇用の中途解雇を強行したのです。

  ねぎらいの言葉もなく

 「仕事が減っているので辞めてもらわないといけないことになりました」

 11月17日。 課長が仕事中に期間社員を一人ひとり呼び出し、こう言い放ちました。 「ご苦労さま」 の言葉もありませんでした。

 有休もほとんどとらず、残業も休日出勤も全部こたえてきました。 この仕事が好きでずっと働くつもりでした。 なのに、さんざん働かせてあとはさよなら。 納得できるわけがありません」(Aさん)

 派遣・請負大手の日研総業の求人募集で6年前、九州から上京。 川崎工場で請負社員として働き始めました。

 2002年の大リストラで川崎工場が閉鎖されると栃木工場へ。 05年に偽装請負が発覚すると派遣社員に変更され、派遣期間が切れた2年前から期間社員に変えられました。

 エンジン製造部門。 正社員で代われる人がいないほど重要な担当を任され、正社員以上に働いていても、賃金は日給9千円。 月収でやっと20万円を超える程度。 2カ月、3カ月と細切れの契約更新が繰り返され、雇い止めの不安が消えることはありませんでした。

 今年3月、労働者の声や日本共産党国会議員団のたたかいに押されて正社員登用制度ができると、「不安定な身分から脱出できる」 と胸をふくらませました。

 しかし、試験は上司の推薦が必要で採用枠も少なく、Aさんは希望しても試験さえ受けられませんでした。 全社でも正社員になれたのは65人でした。

 そして、解雇―― 。

 「もう我慢も限界でした。 本来なら正社員にして当然だ、組合に入って解雇をやめさせようと誘われたとき、迷わず加入しました」

  契約の更新したばかり

 組合員には派遣労働者の青年も―― 。

 古家賢一さん(23) もその一人。 1年前、次の仕事までのつなぎのつもりでしたが、正社員登用制度ができて考えが変わりました。 「派遣で3年働くと期間工に、期間社員2年で正社員になれる」 と思ったからです。

 「9月に来年4月まで契約更新したばかり。 正社員になろうと懸命に働いてきたのにひどい。若者ならまだ仕事があるかもしれないけど、年配者も含めて全員をほうりだすやり方が許せません」

 星野貞雄さん(60) は9月に定年退職し、契約社員として再雇用されたばかり。 今回の解雇対象者ではありません。 川崎工場の閉鎖で栃木工場に異動。 非正規労働者と一緒に働いてきました。

 「彼らの労働条件をよくし、正社員にするべきだと思っていました。 いすゞは非正規の人たちのがんばりで過去最高益をあげるまでになったはず。 解雇を撤回し、正社員にすることこそ大企業の社会的責任です」

  あきらめず一緒に声を

 12月3日の組合支部の結成大会。大企業で働く非正規労働者のたたかいに、海外メディアも含めて約20社が取材に訪れました。

 執行委員長に選ばれた期間社員の松本浩利さん(46) は、最長2年11カ月で雇い止めされる不安から組合に入りました。 「労働者の権利も何も知らなかったけど、組合に入って変わった。 正規雇用を増やすべきで、社会の問題だと分かりました。 一人じゃない、泣き寝入りしないで声をあげようと思いました」

 日本共産党の志位和夫委員長が解雇撤回を申し入れるなかで、来年3月まで寮に残れるようにすると会社がいいだし、舛添要一厚労相が国会で 「調査し必要な指示を出す」 と答弁するなど変化が生まれています。

 「ぼくも組合に入っていないと泣き寝入りしていたと思う。 同じような人はたくさんいます。あきらめないで一緒に声をあげようと呼びかけたい。 一人の力は小さいけれど、みんなが一緒に立ち上がれば変えられる。 たたかいはこれからです」 (松本さん)

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん 赤旗」 2008年12月5日付

  トップページへ           <トピックスの目次の頁へ>                              この頁のトップへ