輸出大企業を先頭に横行する「派遣切り」など非正規労働者の解雇・雇い止めで、来年3月までに職を失う非正規労働者が8万5012人に達することが分かりました。 厚生労働省が12月26日、企業からの聞き取り調査の結果を発表しました。 11月の前回調査の約3万人から1カ月で2.8倍に増加しました。
産業別では製造業が8万1240人で96%と大部分を占め、県別では愛知県が1万509人と最多。 自動車・電機など大企業の雇用責任が問われます。
雇用形態別では、派遣労働者が5万7300人と大半です。 このうち、中途解除が2万9451人と過半数であり、依然として違法解雇が横行し、増加しています。
次いで、期間工などが1万5737人、請負が7938人となっています。 請負の中途解除も4738人と6割を占めています。
再就職の状況が確認できた1万7171人のうち、88.2%に当たる1万5145人は、再就職先がありませんでした。
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非正規労働者を使い捨てにしている実態をあらためて示しています。
調査全体では、厚労省が 「全ての事例を把握していない」 というように不十分なものであり、実際には、さらに大きな規模での解雇が予想されます。
内定取り消し … 769人!
企業から採用内定を取り消された来春の新卒者が全国で769人にのぼることが、厚労省が12月26日に発表した調査で分かりました。 全国のハローワークが確認した情報を集計したもの。
それによると、内定を取り消した企業は172社。大学生で632人、高校生で137人が内定を失いました。 内定を取り消された人数は、11月の前回調査時の331件から倍増しています。
産業別では、不動産業が197人、次いで製造業が187人となっています。 規模別では、300人以上の企業が最多の27社、309人となっており、大企業の雇用責任があらためて問われます。
厚労省は、合理的理由のない内定取り消しは無効だとして、企業名の公表などを行うとしています。 しかし、実際には、内定取り消しが広がっており、強力な指導が必要です。
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