静岡県内の踏切で2006年11月に投身自殺したキヤノン (本社=東京都大田区) の研究職男性 =当時 (37)= について、沼津労働基準監督署
(静岡県沼津市) が過労自殺として労災認定していたことが6月13日、分かりました。 認定は6日付です。
代理人で過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士によると、男性は1992年に研究職としてキヤノンに入社、97年から同社富士裾野リサーチパークに勤務。
05年4月には異動で業務内容が大きく変わり、06年4月からはサブリーダーという役職に就き、自分の研究に加え後輩指導も担当になりました。
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リサーチパークでは、残業は午後10時までとされていましたが、同年11月には研究成果の発表会があるため、男性は仕事を自宅に持ち帰り、午前3時まで働くこともありました。
同年8月下旬から約2ヵ月間は休日がなく、特に自殺した11月の時間外労働時間は約260時間だったといいます。
発表会へのプレッシャーと過労により、男性は少なくとも11月時点でうつ病状態だったとみられ、眠れなかったり、突然いらいらしたりするなどしたといいます。
発表会はうまくいかず、男性は同29日に辞表を出しましたが上司は一時預かりとして受理しませんでした。 男性は翌30日に自殺しました。
男性の妻 (34) は 「主人の仕事のつらさ、苦しさを理解してもらい、労災認定されてほっとしている。 これからは主人の分まで3人の子どもを頑張って育てていきたい」
と話しているといいます。
キヤノンの御手洗冨士夫会長は、日本経団連の会長も務めています。
キヤノンの話
労災認定については、事実として厳粛に受け止め、誠意を持って対処していきたい。
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