東京地裁における裁判(第一次申立)の
経過と 「傍聴記」 |
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この裁判は、会社(東芝)=原告が 中労委の“会社の行為は差別是正申立人(労働者)に対する不当労働行為である”と認定して出した差別是正命令を不服として提訴した行政訴訟です。
当事者は、原告=会社(東芝)と、 被告=中労委 及び補助参加人・差別是正申立人(労働者)です。
<2006年8月23日> 午前10時30分から 第6回弁論準備が行われ、結審しました!
判決は来年早々!!
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公安警察と秘密組織を使った違法な労務管理・差別実態を立証!
会社は反証不能のまま、東京地裁行政訴訟は結審!!
【経過】… 東芝が中央労働委員会(中労委) の命令を不服として裁判に訴えた 「不当労働行為救済命令取消行政訴訟」 は、8月23日に結審しました。
佐村裁判長は 「本日をもって結審とする。 和解については双方の意見を聞いた今の段階では難しいと思います。 また、なにかあれば対応したいと思います。
判決については来年の早々と考えています」 と述べました。
2001年4月の神奈川地労委命令と、2004年11月の中労委命令は、東芝の違法な労務管理と差別の実態を厳しく断罪しました。 前任の三代川裁判長は、「事実関係では、もはや争いがないと思う。
中労委命令のここが不満という点に絞って、会社の主張を述べ早期に解決すべきだ」 と述べました。 ところが会社は、「“東芝扇会” はなくなった」、「“自己啓発の会”
は自主的組織である」、「政党員としての政治活動であるから救済対象ではない」 などと主張しました。 このような会社の主張には何の根拠もないことは明らかであり、現在の佐村裁判長も
「この事件は、早期に和解解決すべきと考える」 として、6月には和解の意向打診をおこないました。
労働者側は、「会社は、いまこそ違法な労務管理を反省し、古くさい労務体質を改めるべきだ」 と述べ、東京地裁には2004年までの最近の10年間の会社の差別と組合支配介入の実態を裏付ける
“東芝扇会” や “自己啓発の会” の総会資料、活動報告書、組織表、“自己啓発の会” 会員アンケート などの新証拠を提出しました。 これらの新証拠は、東芝がいまだに秘密警察(警備公安担当)
出身者を雇い入れて勤労担当などに配置して労務対策をおこない、秘密労務組織(インフォーマル組織) である “東芝扇会” を “自己啓発の会” に再編成したうえ、組合役員選挙や出向・転籍・早期退職募集などのリストラ対策、さらに申立人らの活動を調査・監視する差別的な情報活動をおこなってきたことを裏付けています。
会社は、これらの生々しい事実を前にして、まともな反証をすることができず、日本共産党のホームページから日本共産党規約などをダウンロードして、「申立人らの活動は政治活動であり、労働委員会の救済対象ではない」、「全社的には最低の賃金ではないから、差別ではない」
などと主張するありさまでした (実際には全社最低の人もいる!)。
【主張】… いま東芝では、全ての職場から差別をなくすことが、労働組合活動の自由を勝ち取り、違法な派遣、偽装請負、公共事業への談合や火力・原発検査データ改ざんなどの違法行為をなくする上でも大切になっています。
東芝は、労働組合活動や思想信条による差別、男女差別をやめ、賃金、資格、役職、仕事の配置(配転・出向・転籍) などの差別を是正しなさい。
東芝は、申立人と共に差別是正を求め 「差別是正社長申し入れ」 を行っている約100名の仲間の差別を是正し償いなさい。
東芝は、労働組合や政治活動の対策を目的とした秘密警察出身者の雇い入れをやめ、秘密組織である “東芝扇会” と後継組織の “自己啓発の会” を解散させなさい。
東芝は、労働組合法で決まっている「判決が確定するまでは、労働委員会命令を履行しなければならない」という義務をまず果しなさい。
いまこそ東芝は、争議解決の引き延ばしをやめ、早期全面一括解決の決断をしなさい!! (
I 記)
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<2006年5月17日> 午後4時から 第5回弁論準備が行われました。
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この日の弁論準備では、原告(会社)、被告(中労委)、補助参加人(労働者)の3者は、東京地裁での審理をこれをもって実質的に結審とすることを確認しました。
また、補助参加人代理人は、「会社の最終準備書面は、東京地裁では争われなかった第2次神奈川県労委申立事件(9名)に関する証拠、主張が中心になっているが、これはフェアな証拠の出し方、主張の仕方ではない。しかし、差別事件としては、本件と神奈川県労委の事件、差別是正を会社に申し入れている人達の問題を全体として解決する必要がある」旨、主張しました。
これに対して、裁判所、会社側とも異議をはさまみませんでした。
そして、次回口頭弁論期日を8月23日(水)10時30分からとし、最終的な結審日とすることになりました。
一方、6月中に、裁判長が会社側及び労働者側から和解に向けた意見聴取を行なうことになりました。
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<2006年2月8日> 午後4時から 第4回弁論準備が行われました。
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東京地裁民事11部の三代川裁判長(部長)が2月1日付で転任し、佐村裁判長に交代しました。
労働者側は、三代川裁判長のもとで進められてきた弁論準備で確認されてきた次の点について、新任の裁判長がきちんと対応するように求めました。
(1)事実関係では、新たに争点は提起されていない。
(2)原告(会社側)の主張は、中労委段階と同じである。
(3)人証調べは行わない(証人調べをせずに早期結審をめざす)。
佐村裁判長は、「着任したばかりで、事件を詳細に把握できていない」として、最終準備書面を数回に分けて提出することを求めました。
これに対して、労働者側(補助参加人側)の岩村代理人は、「3月中に最終準備書面を提出して早期に結審すべきであるとし、補助参加人らの労働組合活動、これを嫌った会社の不当労働行為意思、差別による格差の実態は明確であり、裁判長の交代で結審を先延ばしにすべきではない」ことを述べました。
一方、会社側の山西代理人は、「本件は早期に決着を図るべきである」、「補助参加人らの活動は労働組合活動ではなく政党活動である」とし、最終準備書面の提出期日については「5月8日にしたい」と述べました。
協議の結果、最終準備書面の提出期限は5月8日、次回の第5回弁論準備期日は5月17日(水)午後4時からに決まりました。
既に、第2次申立の神奈川県労委における審問は2月27日に結審し、早期に勝利命令を勝ち取る段階を迎えていますが、東京地裁行政訴訟の結審も間近にせまってきました。いま、東芝争議の全面一括解決をめざすたたかいは重要な山場を迎えようとしています。 (E記)
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<2005年12月2日> 午後4時から 第3回進行協議が行われました。
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今回は、傍聴支援者も含めて参加できるように、従来の2倍近い広さをもつ弁論準備室が使用されました。
裁判長は、提出書証と準備書面を確認し、中労委での審理と重複せずに、早期に結審すべきであるとの判断を示しました。
一方、「東芝の職場を明るくする会」 に団結し早期前面一括解決をめざして頑張っている補助参加人(労働者)らは、中労委命令が交付された後も、「自己啓発の会」
によって不当労働行為を続ける会社の労務管理の実態を示す証拠を提出し、弁護団長がその趣旨について述べました。
裁判長が、新たに提出された50種近い「自己啓発の会」に関するその証拠について確認したところ、弁護団長は、『会社は、「東芝扇会はなくなった」
と言っているが、本日提出した証拠によれば、名前を 「自己啓発の会」 に変えただけで実態は 「東芝扇会」 と変わらず、いまだに同じような活動を継続していることが明らかです。』と述べました。
会社側代理人が 『調査をして、会社として述べたいことがある。』 と言ったことに対して、裁判長は 『どっちにしろ、会社は知らないと言うのではありませんか?』 と、ズバリ会社の意図を指摘しました。
自己啓発の会=秘密組織・東芝扇会の活動は、会員でさえが 「出張扱いで思想教育?を受けた組織の活動が自主活動とはいえない」 と、自己啓発の会組織部のアンケート調査に答えていることも証拠で示されました。
最後に、今後の進行について、裁判長は、『すでに会社側が証人を立てないと言っており、証人調べは行わないこととします。中労委での審査を蒸し返すような証拠は、双方が提出しないようにしてください。』
という趣旨のまとめをおこない、早期結審に向けた道筋を明らかにしました。
こうして、中労委命令を履行せず、「東芝扇会=秘密活動はやめた」 と言う会社の主張が虚偽であることが裁判所で明らかになりました。
次回は、2006年2月8日(水)午後4時から 「第4回弁論準備」 が行なわれます。
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<2005年10月3日> 中労委が 「緊急命令申立て」 を行なう!
中労委は、10名の労働者(第一次の救済申立人)の新たな要請に基づき、“会社が中労委の決定を履行せず、この行政訴訟事件の判決が確定するまで現在の状態が継続するならば、会社の不当労働行為によって10名の労働者が受けた経済的損失、精神的苦痛は大きく、回復することが困難になることは明らかであり、これは労働組合法の趣旨、目的に反するものである” として、東京地裁に対して2005年10月3日付で 「緊急命令申立て」 を行ないました。 |
<2005年9月30日> 午前11時から第5回口頭弁論が行われました。
この日は、第2回進行協議が行なわれました。
裁判長は、会社側が中労委の審理をむしかえすような書証や準備書面を提出してきたことを批判し、「事実関係で大きな争点がない中では 人証調べは不必要である」として、円滑な進行を図るべきだと述べました。
次回は、12月2日(金)、午後4時からに決りました(第3回進行協議)。
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<2005年7月6日> 午前11時から第3回口頭弁論が行われました。
前回裁判長から指示された“ポイントを絞った書面”が会社側から提出され、次回から裁判の進行に関する協議を行ない進行することが裁判長から伝えられ、およそ30分で終りました。
次回は、8月4日(木)、午後4時からに決りました。
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<2005年8月4日> 午後4時から第4回口頭弁論が行われました。
まず、前々回、裁判長から「争点の大まかなところをまとめてください」との指示にしたがって原告(会社)側が提出した準備書面が、本件の争点と認識することが確認されました。
次いで、裁判所がつくった「争点のまとめ」が参考資料として配布されました。
そして、今後の進行について、裁判長は、「今後新しい証拠が出ないのであれば、裁判所として、労働委員会の判断が正しいかどうか、評価が相当かどうかということを判断して行きたい」旨述べました。
次回は、9月30日(金)、午前11時からに決りました。
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<2005年5月18日> 午前11時から第2回口頭弁論が行われました。
裁判長から、『 原告(注:会社・東芝側)から詳細な認否の文書が提出されていますが、あまりにも詳細すぎて大筋がつかめません。裁判所に認定してほしいポイントに絞った書面を提出して下さい。』と指示され、会社側はそれにしたがっておよそ1ヶ月後までに提出することを約束しました。
また、裁判長は、裁判の進行に関して、“大きい事件なので、できるところからすすめたい”という趣旨の説明を繰り返しました。
次回は、7月6日(水)、午前11時からに決りました。
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<2005年3月11日> 午後3時30分から第1回口頭弁論が行われました。
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この日は、答弁書や証拠提出書等の確認が行われました。
そして、裁判長から、『 中労委命令書に記載されていることは客観的な事実であると思われますので、事実認定に関して新たに出す証拠はそう多くはないように思います。今後の進行に関して原告側(注:会社・東芝側)にお願いしたいことは、中労委が認定した事実について“これは認める、これは否認して争う、争わない、”というように整理して下さい。』との指示が出されました。
次回は、5月18日(水)、午前11時からに決りました。
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