[職場だより]  2014年07月06日   東芝うつ病裁判4
13年もの長い闘いの原因

●職場状況の再確認
 2000年11月から「液晶ライン立ち上げプロジェクト」 の業務が始まる。無謀なスケジュールと厳しいノルマで、 従事する労働者に、長時間過密労働が続く。

 2001年7月と12月には、プロジェクトの男性労働者2名 が自殺する悲惨で過酷な労働状況だった。

 U.Sさんも深夜まで働き(毎月実働100時間を超え る残業)、体調をくずし、うつ病の発症。2001年9月とう とう休職に追い込まれる。

●長期闘いの原因1
 人間をたいせつにする基本的精神が、会社(東芝) の対応になかったこと。

 3年間の休職期間が終わったら、非情にもU.Sさんを 解雇した。労災にしてくださいと懇願しても、冷たく 拒否する。
 休職期間が終わったU.Sさんに対して、丁寧に話し合い、 例えば別の職場や事業所に転勤させるなどして、軽度の 仕事から職場復帰をしてもらうなどの、人間的な処置を とるべきでした。

●長期闘いの原因2
 労働組合が、U.Sさんを援助しなかったこと。

 使用者(会社)は経済的に強い立場にあります。労働者 が一人一人の立場で労働条件などについて交渉すると、 どうしても使用者側の都合のよいように、一方的に決めら れてしまいます。そこで労働者は、不利の立場をカバーす るため団結して、使用者と交渉するようになりました。 その団結の組織が労働組合です。国の法律「労働組合法」 にも明記されています。

 東芝労組はU.Sさんのために何の援助もせず、2004年7月 には東芝労組深谷支部の事務所にU.Sさんを呼び出して、 労組役員が「本人の働こうと言う意欲があれば会社にでて 来れるはず」などと、耳を疑うようなことを述べたのです。 労働組合が組合員のためでなく、会社のために動いたのです。
 味方となるべき労働組合の冷たい対応は、解決が長引く 要因になりました。

●長期闘いの原因3
 裁判などで会社(東芝)が、うその証言やいやがらせを 行い続けたため。
 東芝が、「U.Sさんのタイムカードだ」と言って、 裁判所に提出したタイムカードは、U.Sさんも見たことも ない、偽造のタイムカードでした。

 うつ病の原因は、U.Sさんの体質にあると主張したこと。 体質とは、U.Sさんには生理痛があり、それがうつ病の 要因だというのです。医学的に何の因果関係もないのに。

 残念なことに職場の上司や同僚が、事実を正確に証言し なかったこと。事前に会社と証言内容をすり合わせていて、 「業務でたいした負荷が無かった」とまで言ってしまった ことです。2名の自殺者まで出る職場で、業務の負荷がない などとは、事実に反します。

 和解に進むチャンスは何度かありましたが、会社(東芝) は真剣に応じなかったこと。裁判官からの「和解をする気 はありますか」の問いに、東芝側は「全くありません」と 発言したりしました。

●U.Sさんの、人生で最も大切な30代、40代を奪って しまった現実を、東芝は真摯に反省し、一日でも早い解決 に全力をつくす責任があります。

東芝の職場を明るくする会
連絡先  メール akaruku-tsb@kki.ne.jp