トピックス      2007.12
  光洋シーリングテクノ
    
契約14人 正社員採用!
       青年たち…雇い止め打ち破る!!
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      【(続報) 正社員化の扉こじ開ける  あきらめを労組が変えた 】 ジャンプ
      【(続報) 問われる厚労省の姿勢                    】 ジャンプ


 「やったぞ、ついに正社員だ」。 労働者が偽装請負を告発し、直接雇用の契約社員にさせたトヨタ系の部品メーカー、光洋シーリングテクノ(徳島県藍住町) で、14人の契約社員が、期限の定めのない正社員に採用されることが12月17日、分かりました。 直接雇用になっても短期契約で雇い止めにされるケースが問題となるなか、青年たちが不屈にたたかい正社員化を実現したものです。

 JMIU徳島地本が同日、徳島県庁で記者会見して発表しました。 同社は、請負労働者200人から契約社員に採用した人のうち47人を採用試験し、組合員を含む14人を12月21日から正社員に採用します。

 仕事を終えた組合員が集まってきた組合事務所では17日、「万歳、いいスタートだ」 などと喜びの声がはじけました。

光洋シーリングの正社員化を喜ぶ (右から)
島本、矢部、守口の各氏=17日、徳島県庁

 勤続5年の男性(27) は 「早く正社員になりたくて組合に入って、みんなと一緒にたたかってきました。本当にうれしい」。 光洋シーリングテクノ分会の矢部浩史代表(42) は 「有期雇用で雇い止めを許さず、正社員にできてうれしい。 引き続き全員の正社員化を求めていく」 と語りました。 同じく直接雇用を求めてたたかう日亜化学分会の島本誠代表は、「ほんまにうれしい。私たちも後に続きたい」 と力をこめました。

 同社では、青年労働者が2004年9月、JMIU徳島地域支部に加入し、正社員化を求めて立ちあがりました。 05年12月、徳島労働局に偽装請負を告発。 組合つぶしをねらった雇い止め(解雇) を撤回させるなどしました。 県も仲介に乗り出し昨年8月、直接雇用に切り替えることや、一定期間後の正社員化でJMIUと合意しましたが、最長2年11ヵ月での雇い止めも予想されるなか、世論と運動を広げてきました。

 徳島地本の森口英昭委員長は 「偽装請負を告発した組合員が自らのたたかいで正規雇用を勝ち取ったのは、全国でも初めてだと思う。 大きな成果だ」 と語りました。

 日本共産党国会議員団は労働者のたたかいを早くから国会で取り上げ、正社員にするよう繰り返し求めてきました。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2007年12月18日付、  同党のホームページ
 
(*) 光洋シーリングテクノを中心とした告発とたたかいはJMIU徳島地域支部のサイトでも詳しく紹介されています。



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 続報 正社員化の扉こじ開ける!
           あきらめを労組が変えた!!
                〜 徳島・光洋シーリングテクノ 〜

 「正社員になりたい」 と偽装請負に立ち向かった青年たちが、ついに正社員化の扉をこじ開けました。 トヨタ系の部品メーカー、光洋シーリングテクノ (徳島県藍住町) が、偽装請負で働かせてきた労働者のうち14人を12月21日から正社員化することになりました。 低賃金で不安定雇用に置かれていた労働者がみずから立ち上がり、労働組合に入って勝ち取った画期的な成果です。


光洋シーリングテクノに正社員化させたJMIUの組合員

 「仲間と一丸となって頑張ってきたことが実り、本当によかった」

 こう語るのは、正社員になる勤続5年の安宅徹さん(27)。 全員の正社員化ではないので複雑な気持ちでしたが、周囲から「悪いのは会社。 喜んだらいい」 といわれ、喜びがこみあげてきました。

 高卒後入った会社を1年で辞めてからは正社員の仕事がなく、製造現場を転々としていました。

 「簡単にクビにされ、ボーナスもない。 でも、これが社会なんだ」 とあきらめていた気持ちを変えさせたのが、労働組合をつくって偽装請負をやめさせ、正社員化を実現しようという動きでした。 偽装請負をさせていた企業に直接雇用する義務があることを知り、正社員になりたいとの気持ちが強くなりました。

 安宅さんら約20人が JMIU (全日本金属情報機器労組) に加入したのは2004年9月。 違法に働かせ、正社員と同じ仕事をしても半分の200万円しかない年収に、「なんやねん」 との怒りが渦巻いていました。

   解雇を撤回

 05年12月に偽装請負を告発した直後、雇い止めを通告されたときはショックでした。 離れていく組合員もいましたが、泣き寝入りはしたくない、抗議していこうと話しあい、とうとう解雇を撤回させました。

 運動の先頭に立ってきたのが、約7年半になる矢部浩史さん(42)。 「人前で話すのは大の苦手」 ながら、支援を訴え、休日返上で全国を回りました。 請負会社から 「おまえらが何をやっても世の中は変わらん」 といわれ、「変わるんじゃない。 ワシらが変えるんじゃ」 と言い返しました。

 偽装請負が社会問題となるなか県も仲介に乗り出し、昨年8月、直接雇用と一定期間後の正社員化で合意。 10月から53人を直接雇用の契約社員にさせました。

 しかし、契約社員になっても賃金は請負のときと変わらず、最長でも2年11ヵ月で解雇される恐れがありました。 県内の日亜化学では組合員が直接雇用から排除され、仕事まで取り上げられる逆流が起きていました。

 組合は、職場や地域に運動を広げてたたかいました。 4月に2度、24時間のストライキを行い、新たに16人が契約社員になりました。 正社員化を求めて10月にもストライキ。 「団結」 のハチマキをしめ、工場見学などにきた来客らからも、「あれは何だ」 とささやかれました。

 こうしたなか、偽装請負問題での労使交渉を拒んでいた会社は態度を変えざるをえなくなり、「この問題は労使で前向きに協議し、是正していく」 と表明しました。

 日本共産党はこのたたかいを当初から支援し、国会議員団らが現地調査や厚生労働省に申し入れるなど偽装請負の是正を求め、国会質問で数度にわたって追及。 偽装請負根絶の通達を出させるなど、労働者のたたかいと結んで政治を動かしてきました。

   後につづけ

 光洋のたたかいが起点になり、正社員化を求めるたたかいが全国に広がっています。

 日亜化学の偽装請負を昨年10月に告発した島本誠さん(34) も、その一人。 光洋の正社員化を組合員に伝えると、みんな驚き、「後に続こう」と口をそろえたと言います。 直接雇用の合意を破った日亜化学に対して12月17日、県労働委員会に救済命令を申し立てました。

 光洋で請負労働者全員を正社員化させるたたかいはこれからです。 勤続8年の黒坂和也さん(27) は今回、不採用になりました。 しかし、「声を上げなければ誰一人正社員になれなかった。 おれも先か後かの違い。 みんなで頑張れば必ず道は開ける」 と力をこめます。

 今回、正社員になる吉崎透さん(29) は、専門学校を卒業し県内の数十社に応募したものの内定は一つもなし。 今回、初めて正社員になり、「光洋で働き続けたい」 との願いをかなえました。 「仲間と全国の支援の力があって、正社員になれました。 でも、まだ通過点。 全員が正社員になるまで頑張ります」

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2007年12月19日付、  同党のホームページ
 
(*) 光洋シーリングテクノを中心とした告発とたたかいはJMIU徳島地域支部のサイトでも詳しく紹介されています。



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    光洋シーリングで正社員化 !
          −問われる厚労省の姿勢−


 光洋シーリングテクノで偽装請負で働かされていた労働者が、直接雇用に続いて12月21日から正社員化を実現しました。 直接雇用にしても短期契約で雇い止めにされるケースが問題となるなか、たたかって正社員化の道を切り開いたもので画期的な意義を持っています。

 同時に、労働者派遣法にも反して、直接雇用・正社員化の指導を怠ってきた厚生労働省の姿勢が改めて問われています。

 派遣労働は、常用雇用の代替とならないように派遣期間 (3年) が定められており、これを超えると、派遣先企業は派遣労働者に直接雇用を申し込む義務があります。 偽装請負とは、こうした規制を逃れるために、「業務請負」 を装っている違法派遣のことです。

  指導はゼロ

 しかし、厚生労働省はこれまで、違反企業に直接雇用を指導したことはただの一度もありません。 これまで直接雇用が実現しているのは、労働者のたたかいによって実現させているものです。

 派遣法では、直接雇用の申し込み義務は、派遣元が派遣先に派遣停止を事前に通知しているごとが条件です。 厚労省は、この通知がないので、直接雇用の指導ができないとしてきました。

 光洋シーリングの場合も、この通知がないことを理由に直接雇用の指導を拒んできました。

 しかし、偽装請負は、派遣先と派遣元が共謀して行っているものであり、派遣停止の通知を行うはずがありません。

 現行法に不備があることは明らかですが、直接雇用の申し込み義務を課した労働者派遣法の原則にたてば、直接雇用を指導するべきです。

  雇い止めは

 同時に、仮に直接雇用に切り替ても、短期契約にして期間満了を理由に雇い止め (事実上の解雇) にするなど脱法行為を許さないことが求められています。

 松下プラズマ・ディスプレイでは、偽装請負から直接雇用に切り替えたものの、わずか5ヵ月で雇い止めにしてしまいました。 労働者は裁判に訴えてたたかっています。

 何年も偽装請負を続けてきたのであり、是正するのであれば正社員にすべきです。 柳沢伯夫前厚労相も 「必ず長期雇用を申し込む義務がある」 と答弁しており、政府の責任で正社員化を指導することが求められます。

 派遣労働者の権利を守るために、延長された派遣期間の上限を3年から1年に戻すことや、派遣期間をこえたり違法行為があった場合、直接雇用の申し込み義務にとどまらず、「派遣先が直接雇用したものとみなす」 規定を導入し、正社員化を確実にすることが求められます。 その際の雇用契約は、期間の定めのない契約とすることが必要です。

 出典: 日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2007年12月19日付
 
(*) 光洋シーリングテクノを中心とした告発とたたかいはJMIU徳島地域支部のサイトでも詳しく紹介されています。



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