トピックス      2006.9 & 10
偽装請負
 「大企業にも法で対処する」
       … 神奈川労働局が回答!
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 労働者が告発している東芝などへの対応の強化を求める

 日本共産党南関東ブロック事務所の大森猛所長 (元衆院議員) と、はたの君枝前参院議員 (参院神奈川選挙区侯補) は9月28日、神奈川県の東芝など大企業職場で起きている 「偽装請負」 の問題で、神奈川労働局を訪ね、偽装請負の根絶と、労働者が告発している東芝などへの対応の強化を求めました。

 神奈川労働局職業安定部需給調整事業課の内田実課長が応対しました。

要請する (左から2人目) 大森、はたの の各氏ら
=9月28日、横浜市西区労働局分庁舎

 大森、はたの両氏は、偽装請負について 「実態は発注者が直接指揮命令をする派遣であるのに、雇用義務が生じるのを免れるために請負を装うもので、明白な犯罪だ」 とのべ、その解消に向けて厚生労働省が9月に出した通達をもとに、根絶に向けたとりくみの強化を要請しました。

 内田課長は、2005年度に県内の請負事業関係73社中、7割以上の52社に派遣法違反があり、是正指導書を交付したことを明らかにしたうえで、偽装請負解消のため、従業員1,000人以上の事業所すべてを、2年間を目標に調査すると説明しました。

 また、「立ち入り調査の権限をもつ需給調整指導官が県内に5人しかいない」 と、指導・監督体制の厳しい現状を訴えました。

 大森、はたの両氏は、東芝など大企業が労働者からの告発を受けても偽装請負をやめず、違法性を認識しながら違反を繰り返していると指摘し、「行政処分に該当する。 一般的ではなく、厳しく対処すべきだ」 と求めました。

 内田課長は、「承知している。 大企業であろうと法に基づき対処する。 曲げてしまえば法の意味がなくなる」 とのべました。


 【解説】 偽装請負

 業務請負なのに、派遣のように発注企業の指揮管理下で働かせること。
 本来、発注企業は請負労働者に業務の指示はできません。
 偽装請負は発注企業にとって安全管理など使用者責任や契約期間の規制 (製造業で1年) を免れるなどの利点があります。



 【関連トピックス】 偽装請負で初の事業停止命令!
               
大阪労働局…クリスタル系会社・コラボレート社に

 実態は労働者派遣なのに、請負契約を装う違法な 「偽装請負」 を繰り返していたとして、大阪労働局は10月3日、製造請負大手の 「コラボレート」 (大阪市北区) に対し、労働者派遣法に基づく事業の停止命令と事業改善命令を出しました。 偽装請負で事業停止命令は初めて。 厚生労働省は9月、監督指導の強化を労働局に通知していました。

 停止期間は兵庫県姫路営業所が1ヶ月、他の83営業所は2週間。 ただし、すでに派遣されている事業は対象外です。 同社は、大手派遣会社 「クリスタル」 グループ (本社・京都市) の中核企業で、売上高は 450億円 (2005年)。

 労働局によると、姫路営業所が同県加古川市にある工場と請負契約を締結。 しかし、今年8月までの数年間、派遣先の直接の指揮下で働くことを知りながら、常時約50人を派遣していました。

 労働局が2月に報告を求めた際も 「改善した」 と事実と異なる報告書を提出し、度重なる指導にも応じなかったため、命令に踏み切りました。

 コラボレート社は、トヨタ自動車系部品会社 「光洋シーリングテクノ」 (徳島県藍住町) での偽装請負をJMIU (全日本金属情報機器労組) 徳島地域支部の労働者が告発し、2月に徳島労働局が是正を指導。
 松下プラズマディスプレイ (大阪府茨木市) でも前身会社による偽装請負を労働者が告発し、昨年7月に大阪労働局が行政指導しました。
 今回の処分ではこうした点も考慮されました。


 出典:日本共産党発行の 「しんぶん赤旗」 2006年10月3、4日付、    同党のホームページ


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