永塚G長に対する申立人側の反対尋問では…
申立人(金子さん)側の弁護士に、『 あなたは 「東芝扇会」 に入り、磯子の音響工場に移ってから申立人の金子さんと労組役員選挙を争って労組執行委員になり、労組役員を辞めて3年後に課長になる
(現在は部長) という出世コースを歩んだわけですね?』 との質問に対し、会社側証人は 『 何人かはそういう人がいます。』 と証言しました。
さらに、『 「東芝扇会」 から名前を変えた 「自己啓発の会」 は、会則の会員資格が 「東芝扇会」の会員資格と同じですね?』 との質問に、『
そのようです。』 と証言し、『 あなたは今も「休会員」になっているわけですね?』 という質問に、『 そうなっているかも知れません。』 と証言しました。
続けて、前回の会社側主尋問(2005.2.28)で、『 金子さんは作業ミスが多い』、『 残業に協力しない』 と証言したことに関して、申立人側の弁護士に、『
会社側が出した証拠書類をみても金子さんのミスとは言い切れないものまで含まれていますね?』 との質問に、『 そうです。』 と証言しました。しかも、『
金子さんはミスが多いとして出したデータの根拠となる “不良、異常発生報告書” は見たのですか?』 との質問にも、『 見ていません。』 と証言し、「金子さんはミスが多い」
というのは根拠がないことを事実上認めました。
また、『‘01〜’02年は人員が減ったうえに生産増で、残業時間が36協定の40時間をオーバーして50〜60時間の人もかなりいたようだが、会社は生産増に見合う要員を確保すべきなのに、していないのは異常ではないですか?』
との質問に、『 異常だと思う。だから承認を得ている。』 と証言し、36協定の精神がないがしろにされている実態が明らかになりました。
また、『 金子さんがマシンの上に 「作業票」 を置く台を考案して提案し、それが生産終息まで使用されたことを知ってますか?』 との質問には、『
知らなかった。』 と証言。さらに、『 自己申告表で金子さんが 「業績評価」 を 「十分」 としたのに、上長が 「優秀」 に評価を上げたにもかかわらず、C1というマイナス査定にしたのは、ひどいと思いませんか?』
との質問に、『 自己申告表は“ほめてやろう”という申し合わせがあったので、最終評価とは一致しない場合がある。』 と証言。苦し紛れというよりも、何のために自己申告、上長評価があるのか説明がつかないような証言だと思いました。
さらに、金子さんが57歳頃に顕微鏡による作業に従事し多忙だった‘01〜’02年当時、視力が低下したので他の仕事に変えてほしいと申告したのに、それを無視して同じ仕事を続けさせたため、視力が1.2から0.5に下がり、定年退職して3ヶ月後には元の1.2に回復した人間ドックの受診記録を示して、『
仕事による視力低下だったとみるのが当然ではないですか?』 と質問したのに対して、『 視力低下と仕事が関係あるかわからない。』 と証言。
金子さんの健康に対する会社側の配慮のなさをあらためて思い知らされる尋問でした。
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金子課長に対する申立人側の反対尋問では…
申立人(松本さん)側の弁護士が、『 あなたは前回の会社側主尋問で 「松本さんはリーダーシップが無い。」 と証言したが、△△原発に松本さんと一緒に出張した○○技長さんが、陳述書で
「松本さんは (これこれの) すばらしいリーダーシップを発揮してくれた。」 と述べていますが、その時のことをご存知ですか?』 と質問され、『
知りません。』、『 リーダーシップについては、パトロールで仕事ぶりをみたことと、作業長、製造長からの報告で判断した。』 と証言。これでリーダーシップが無いと言えるものでしょうか!
また、前回の会社側主尋問で 『 松本さんは作業改善に熱心ではなかった。』 と主張したことに関連して、申立人側の弁護士が、『 この 「問題点発掘シート」
は松本さんがキャスクの溶接作業上の問題点とその解決策を書いて提案したものですが、この内容はわかりますか?』 と質問したのに対して、『 これだけではわかりません。』
と証言。申立人側弁護士に、『 あなた自身はわからないと言うが、作業長や製造長が見てもわからない中身だと思うのですか?』 と質問され、『 わかると思います。』、『
松本さんが改善提案をしていることは認めます。』 と証言しました。
さらに、『 松本さんと同じ年に技能訓練校を卒業した人の中で、役職についていないのは松本さんだけですね? ’00年度に在籍している松本さんと同期同学歴者17名のうち13名、つまりほとんどの人が役職についていますね?』
との質問に、『 はい。』 と答え、認めました。『 松本さんが溶接コンクールで一位になったことを知ってますか?』 との質問にも、『 はい、すばらしいことだと思います。』
と証言。
最後に、前回の会社側主尋問で、『 「技能訓練所を卒業すると高校卒と同等の扱いになるという社内的扱いがあるか?」 との質問に、「ありません。」
と証言しましたが、松本さんが技能訓練校を卒業した時期の会社の規定を見てください。この規定では、「昇給ラインの編入基準」 が高卒と技能訓練所修了者は同じになっていますね?』
との質問に、『 はい、そうですね。』 と答え、同等の扱いであることを認める証言をしました。
こうして、会社側の “あらさがし“ 証言は次々に崩れる尋問でした。
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保坂参事、小田原G長、及び 戸根部長に対する申立人側の反対尋問では…
申立人(須佐さん)側の弁護士が、『 須佐さんが設計部門にいたときの特許出願について、須佐さんが消極的だったいうことはなかったでしょ?』 との質問に、会社側証人は『そういうことはなかったです。』
と証言して、須佐さんが設計時代にちゃんと仕事を行っていた事が立証されました。
製造技術に移ってからの仕事では、プラズマ窒化やステライト#▽▽に関し、『 会議を取り仕切り、最終的に議事録をまとめたのは△△さんです。』 との前回の会社側主尋問での証言については、社内電子メールなどの証拠に基づく質問に、『
須佐さんがまとめていました。』 と、前回証言を事実上翻し、ここでもちゃんと仕事を行っている事が立証されました。
須佐さんを役職にしない理由に関連して、前回の会社側主尋問で、『 須佐さんは、当日の朝に休暇やフレックス出社を連絡するなど非常にマイペースである。』
との陳述について、須佐さんが所属する職場の休暇取得とフレックスの届け出状況の証拠を示され、思わず、『 これをみると、グループ全体がマイペースですね!』
と証言。審問廷内に爆笑が響きました。
最後に、デジタルEHCの開発について、申立人側弁護士が、『 それをあなたがなさったことを須佐さんも否定はしていませんよ。』 と問われ、『 そうならば結構です。』
と答えていました。
このように、須佐さんのすぐれた技術と、謙虚で節度ある人柄がいっそう浮きぼりになった尋問でした。
以上 (M記)
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