竹上さんに対する会社側の反対尋問では…
竹上さんは、前回(9月13日)の主尋問で、入社以来 “汎用旋盤” に従事し、1メートルほどの大きな材料を100分の1ミリメートルの精度で研削する高度な技能を持っていることが詳しく裏付けられました。
ところが会社側は、今回の審問の2週間ほど前の日の朝礼で、汎用旋盤による急ぎの仕事をたくさん抱えていた竹上さんに対し、突然、上長から『
今日はNC旋盤をやってくれ。どうしてだか私にもわからないが、できなければできないでいいんだ!』との、いわば“業務命令”を言い渡した事実が、竹上さんのこの日の証言で明らかになりました。
しかし、竹上さんは、『 何で今さらと思ったが、20年ぶりにNC旋盤を操作し、製品を立派に仕上げました。次の日の朝礼では「汎用旋盤に戻っていい。」と言われました。職場の労働者も「会社のやり方はなんだ?!」と怒ってました。』と明快に証言し、申立人を支援する傍聴者からは期せずして大きな拍手が起きました。
会社側は、竹上さんがNC旋盤を扱う気も能力もないか、やっても失敗するだろうと、今回の審問の前にわざわざ“あらさがし”を仕掛けたのです。ところが会社側のこの“あらさがし”は、完全に失敗に終わったのです。
そこまでして竹上さんがNC旋盤を扱えない技能の劣る人物であるかのように印象づけようとする会社の卑劣なやり方に、私は強い憤りを感じました。
中村さんに対する会社側の反対尋問では…
会社は『あなたは△△発電所への出張中に、マージャンでトラブルになり、出張途中で戻されましたね。』と、中村さんが同僚とトラブルを起し出張業務をできない人間であるとの印象を与えるような質問をしました。
しかし、中村さんは、『マージャンで問題にされるようなトラブルなど起していないし、もしマージャンでのトラブルならなぜ私だけが戻されるのか腑に落ちなかったので、戻ってからまわりの人に聞いたところ、△△発電所の建設所長(東芝在籍の人物)が“中村は好ましくない思想の持ち主だから戻すように”と言ったのが発端だったことがわかったのです。建設所長は私のことを知らないはずなので、会社の誰かが私の組合活動のこと等を建設所長に“密告”し、戻すように仕組んだとしか考えられません!』ときっぱり証言しました。
この会社の“あらさがし”も失敗に終わりましたが、会社のきたないやり方にあらためて怒りを感じました。
須佐さんに対する会社側の反対尋問では…
須佐さんが多くの特許や実用新案、技術報告書を出していることは会社側も否定できず、会社側は『他社から特許実施料をもらった特許はないですね。』とか、『この技術報告書を実際に書いたのは◇◇さんでしょ?』と、須佐さんがあたかもレベルの低い技術者であり他人の成果を自分の成果にしたかのように印象づけようとする質問を繰り返しました。
須佐さんは、『東芝の製品に実施された私の発明・特許もあります。技術報告書は、自分で直接書いたものもあるし、連名の報告書の中には後輩に原稿を書いてもらい私が添削したものもあります。そのような作成の仕方は通常よくあることです。』と明快に証言しました。
会社側の弁護士が、予定の時間を過ぎても同じような質問をさらに続けようとしたため、地労委の公益委員から『同じような質問であり、続ける意味があるんですか?』とたしなめられて、やっと質問を終わりにするありさまでした。
須佐さんに対する会社側の“あらさがし”も、結局、失敗に終りました。
以上
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