<<思い出の旅2>>


<’93青森旅行’−−奥入瀬編>
 青森の空は何を思ってか雨を降らせています。 うれしく思ってか、私たちの来訪をよろこんで 雨水で清めてくれます。 私たちは幸せ者です。
 ここで降る雨は十和田湖へ供給し、枯れるのを 防いでくれます。 そして、溢れた水は外輪山の 縁を破って奥入瀬渓谷へと流れ出します。
 まだ、昼です。 時間はたっぷりありますが、 外は雨です。 広々とした駐車場にはくもりガラ スを透して数台の車が見かけられます。 駐車場 内を移動して昼食の仕度です。 ガスコンロに火 をつけ、お湯を沸かします。 このお湯沸かしは 準備の中の基本で標準仕様となっています。
 今日の、メニューはカップラーメンです。 つ なぎ目に指の爪を引っかけてセロハンの包を破り ます。 「パッシャ ピッシ」と音をたてて破れ、 その破片は手にまとわり付きます。 やかんの水 が沸き出し「シュッシュ」もくもくと水蒸気をた て始めました。 カップメンの蓋を唇だいの大き さに開きますと蓋がまくれ上がり、銀色に輝きま す。 それは、荘厳な儀式の輝きにも似ています。 左手の指を軽く持つような感じでカップの縁へ載 せ右手で持ったやかんのお湯をそそと注ぎます。  表面に注いだお湯が浮いてきたころやかんをコン ロの上に戻します。 右手でしっかり蓋を閉じ、 テープを貼り、箸の重石を載せます。 そして、 3分待って出来上がりです。 これは、日清のカ ップヌードルの流派です。 他にも、どんべい流 派、ヤキソバン流派、ラーメン流派もあります。 これらの流派の作法は、近々お話することにして 先に進めましょう。
 昼食を済ませ、雨の奥入瀬を車で見に行くこと にしました。

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<’93青森旅行’−−夏泊半島編>
 浅虫海洋水族館の臨時駐車場の朝は、また一興です。 暗い風景は明るくなり近くも遠くも、ぐるりと展望で きます。 広い駐車場の大地はどこまでも続き、北海 道を有効利用しています。 ときたま金属音をさせな がら車が前の幹線道路を通り抜けます。 その向こう には、静まりかえった遊覧車がじっとしています。
 朝食を昨夜、見聞した岸辺でとることにして車を動 かします。 波は静かですが、小さな岩礁にかもめが 群れています。 試しにパンくずをやると、すくに見 つけて食べに来ました。 それから、菓子を車の中か らあちこちと投げてやると、一斉に取りに来ます。 横取りするものや追い払ってひとりじめするものまで 現れました。 力を誇示している隙にかすめ取るしっ かりものまでいます。
 ときより空けた窓からさーっと雨が車内を濡らしま す。 今日も青森は雨のようです。 朝食を済ませ、 今日の行動を思案します。 晴れれば、八甲田に戻り ますが、雨です。 海つり公園にも行けません。 水 族館は、横浜の八景島水族館に行く予定があるので、 ここではパスします。 結局、ここから北へ10km ほどの夏泊半島に行ってみることにしました。
 幹線道路を北へ向うと、まもなく左手に半島への道 が続きます。 漁村もあり、まるで山間部にいるよう な峠越えもあり、変化にとんだ道が続きます。 左手 に海が見える海岸道路に出てくると、もうまもなく先 端に到着です。 へぇー有料と言うような所に有料駐 車場がうまい具合に配置されしかたなく入れます。
 目の前は海、小さな漁船が何隻か陸に揚げられ閑散 としています。 小雨模様の空から冷たい風が容赦な く体をたたきます。 あわてて上着を羽織り、傘を準 備します。 沿道には両側にみやげ物屋が列びます。 活けすに入った小魚や雑魚が泳いでいたり、店先では ホタテや貝、いかなどを焼いています。 このような 店が20件ほど列び、そこを抜けると浅瀬でつながっ た島が迎えてくれます。 ここは海水浴場になってい るようですが、天気が悪いせいで人影は見えません。
 小雨と強い風の中、コンクリで堅められた遊歩道の 橋を通り島へと上陸します。 別の親子が海辺の道を 行く他は誰も見かけません。 ここは風下ですが、ま わりこんでくる風は強く、避けることができません。 島の上へ行く階段の道は突風のため揺れているようで す。 この揺れる階段を登って行きます。 松が逆風 に耐えていますが、枝たちは流れに妥協してこちらに 向いています。 山の中は松林です。 そして潅木と の協同で北からの突風を防いでくれます。 尾根伝い に歩いて行くと、風が強くなってきました。 林を抜 けたのです。 笹や背の高い草が下りの道を囲んでい ます。 その向こうに燈台が見えます。
 燈台は、一度下った先の小高い所にニョキと生えて います。 両側は海、同時に見える尾根道を進んで行 きます。 右は突風、左側についた道は風を避けてく れます。 一気に燈台まで登ります。 気をつけない と飛ばされて、下に落ちそうです。 燈台は高さ8m くらい周囲は10mくらいという感じです。 その周 囲をくるくる廻って、突風と遊びます。 最初はつな らって、次は一人一人の肝試し、飛ばされないように 廻ります。 帰りに安全を祭る?小さな社に向かって 放尿してしまった。 これは決して偶然で、風向きを 考えた結果です。 でもこのためなのかこの後、調子 を崩してしまうことになるのです。 私は人間の意識 の中にのみ神がうごめいているのだと信じています。  風が止まぬ道を戻ります。 ときたま冷たい雨粒が 顔を叩きます。 すれ違う人は誰もいません。 海辺 に出ると、寒空の中、海に入っている人が2、3人い ます。 元気かやけか、ただ酔っているだけか判りま せん。 古いためか堅いホタテの串刺しを食べながら 車の中で暖まります。 さて、これからどうしよう、 青森の雨は、寒すぎる。
               ufufu

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<’93青森旅行’−−萱の高原編>
 フェリー乗り場の朝も雨でした。 いつま で降るのでしょうか。 雨雲は高度500m くらいの所の位置します。 ですから500 m以上の所に行けば雲の上のはずです。 そ のように結論してから今日は、八甲田に戻る ことにしました。
 雨の市街を後にします。 そして1時間く らいで、萱の高原に到着です。 でも、まだ 雲の中でした。 ここを通り過ぎ、酸ヶ湯温 泉に向かいます。 8時少し過ぎに酸ヶ湯の 温泉旅館に着き、玄関前の駐車場に車を止め ることができました。 いよいよ千人風呂に 入ることができます。 雨降りも少し少しと ゆるくなり、ここはやはり500m以上だか らでしょうか、だんだん止んできました。
 朝早いためか、天候不良のため少ないのか 大きな混浴風呂はすいていました。 風呂を 出て、ここの名物そばを食べることにします。 注文でやってきたそばは手打ちではありませ ん。 口に入れればすぐに分かる既製品そば でした。 高い割には素人のそば屋です。
 ガイドブックを見て、おいしいそばを食べに 来たと言う夫婦がやってきました。 店員に そのガイドブックを見せています。 私達が 注文できなかった、てんぷらそばを頼んでい ました。 私は、ここのそばはそんな物では ない、がっかりするだけですよと言いたかっ たのですが、そばを口に入れた時の表情を思 わず期待してしまいました。 てんぷらを肴 にビールを飲む夫婦、ついにそば顔を見ずに 店を出ました。
 萱の高原に戻ります。 実は、ここがガイ ドブックのそば屋だったのかも知れません。 名代?そばののぼり旗が掲げられています。 雨は止んでいますが、重い雲が八甲田の山に 架かっています。

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<’93青森旅行’−−弘前編>
 黒石を出ると田舎を自己主張している村が 出てきました。 自ら田舎の名前を付けて、 田舎舘村と言っていますが、まさしく田舎で 田圃の中に黒い木造の大きな舘屋(役場?) が田舎情緒を誘います。
 弘前に入って来ました。 道路案内を目当 てに中心街に向かいます。 どこゆくあても ないのですが、だいたい地方都市には城があ るはずです。 街中の道路標識で弘前城を探 します。 小高い見晴らしの良い場所に見当 を付けて道路を進みますが、だんだん寂しく なり、寺院の塀が長く続く道に出ました。 門にxx寺とあり、方向がずれていました。 Uターンして城を目指します。
 堀が現れました。 車を止める場所を探し て堀沿いの道路を進みます。 よい場所を見 つける時間もないので、有料駐車場に入りま した。 ここは、XX民芸館というみやげ物 屋の駐車場でした。 城門まで堀沿いを歩い て行きます。 城門は遠く、なかなか堀の内 に入ることができません。 のんびりとつり をしている人がいますが、まさしくこれが、 つり堀の原点でしょう。
 堀を渡す橋を渡り、やっと入り口です。 ここの城門は裏門というところでしょうが、 なかなか大きな城門です。 中に入ると馬場 があります。 あまりここから入る人はいな いようで閑散としています。 砂利道を進む と、ここにもみやげ物屋があります。 大き な仮設テントの中に、青森のみやげがありま した。
 天守閣はどこかと、砂利道を前進します。 歩く度にジャリジャリと音がします。 一歩 でジャリ、二歩でジャリジャリ、子供が歩い てもジャリ、いったいどこまで続くのでしょ うか。 前へ前へ、砂利の上を歩いて行くと 前方に天守閣が現れました。 でも、なんだ か変な感じです。 天守閣の荘厳さがありま せん。 違うと思いながらもぐるっと廻りな がら上っていきます。 三層の天守閣は、石 垣の縁に張り付いているようで土蔵を立派に した感じです。 高札を見ると建当時は四層 でしたが、まもなく焼失してしまい、幕府の 禁止令で再建できなり、火の見櫓?を移築改 装したそうです。
 通路を歩いていても遅いせいか、すれ違う 人はあまりいません。 城内を出て駐車場に 戻ります。 途中、鴨の親子が用水路の中で 泳いでいます。 流れに逆らって、15cm くらいの石の上に4〜5羽飛び乗っていまし た。
 民芸館のみやげ物屋で買い物をします。 店の中に別部屋があり、引き戸を開け中に入 ります。 民芸品が展示してあり、ここでも 買い物ができます。 後で分かったのですが ここは有料民芸館の中で、出口から入ったよ うでした。 子供の民芸玩具で内と外では値 段が違っていて、内の方が安くなっています。 同じ建屋で何故でしょうか。
 弘前ダイエーで夕食にします。 エレベー ターで8F?へ。 2つの食堂があり一方へ 。 窓際のテーブルに付きます。 窓からは 岩木山がくっきりと明るい空を後ろに控えさ せてそびえ立っています。 このレストラン には20くらいのテーブルがあり、その内の 5つくらい埋まっていたでしょうか。 何を 注文したか覚えていませんが、ウエイトレス が3人いたことは覚えています。 そして、 きれいな岩木山をみながらの食事は、おいし かった印象があります。
 もうそろそろ夜の時間です。 遅くならな い内に黒石に戻ることにしました。 では、 黒石ねぶたで。
            ufufu

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