[職場だより] 2023年03月08日 交際費の私的流用で副社長が辞任
−不正を許さない勇気と組織が光る−
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2023年2月14日、東芝は、副社長が辞任したと発表しました。辞任の理由は、副社長が2019年の
東芝エネルギーシステムズ社(ESS社)のパワーシステム事業部副事業部長時代、継続的に、架空の接待名目で
交際費を申請し、私的に流用していたためとしています。
副社長の交際費の不正流用は、社内から複数の通報があり、監査委員会が調査を行い、事実として認定したと
記しています。そして、責任ある立場にあって部下の範となるべき者の行動としては適切とは言えず、
トップマネジメントとして当社の経営に携わり続けることは、健全なガバナンス体制の維持・構築を最優先とする
当社の経営にとって望ましくないとの結論に至りましたと述べています。
東芝は2015年4月、粉飾決算が明るみになり、大きな社会問題になり、東芝は倒産寸前の状態に追い込まれました。
その危機と困難を、従業員は必死に耐えて、一丸となって経営の立て直しを進め、二度と粉飾決算を起こさないように、
内部管理体制の改善を図ってきました。経営トップへの監督機能の強化、経営層の意識改革は、改善の柱でした。
副社長は、2017年4月に東芝原子力事業部長に就任、2019年4月にはESS社のパワーシステム事業部副事業部長、
2020年6月に東芝エレベータ社の社長、2022年3月には東芝副社長に就任しています。東芝改革の中心にいた人物です。
副社長の交際費の私的流用は、社内からの通報で明らかになりました。不正を許さないという従業員の勇気と、
それを取り上げ、調査した組織が育ってきたことは、東芝にとって光となっています。
2019年3月、東芝エネルギーシステムズ社(ESS社)は、427名もの従業員の首切りリストラを行いました。
「東芝で働き続けたい」と懇願する従業員に「会社の厳しい状況を考えると、今の職場で仕事を続けてもらうことは
できない」と言って、容赦なく首をきったのです。そんな時期に交際費を私的流用して、銀座の高級クラブで
遊んでいたとは、心が痛みます。
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