[職場だより] 2021年11月27日 東芝のフィルム型ペロブスカイト太陽電池
−社内外から称賛と期待の声−
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・東芝は9月10日に、世界最高のエネルギー変換効率15.1%を実現したフィルム型ペロブスカイト太陽電池を開発したと発表しました。
現在主流のシリコン系太陽電池は、重量および形態の面から設置場所が限られています。丘陵や山林を削って、
自然環境を破壊しての設置も多数あり、社会問題になっています。
軽くて曲がるフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、強度の弱い屋根やオフィスビルの窓など多様な場所への設置が可能になります。
東芝は、東京都23区内の建物の屋上および壁面の一部に設置した場合、原子力発電所2基分(東京都23区の家庭内年間消費電力量の
2/3相当)の発電が見込め、カーボンニュートラルの実現に貢献すると述べています。
・市民から、どこにでも設置できるということは、再生可能エネルギーでの発電が身近で、容易に行えると、期待の声が上がっています。
また、東芝の技術者の熱意を感じましたと称賛の声もありました。その反面、東芝は良いもの(新しい技術開発)をたくさん作るのに、
商品化が下手(経営路線にのせられない)なんだよなと、経営力を心配する声もありました。
・従業員からは、東芝のリチウムイオン電池「SCiB」と組み合わせて、家庭用の太陽電池・蓄電池として発売して行けたらと、
事業として成功させようという意気込みの意見もありました。
注:東芝のリチウムイオン電池「SCiB」は、安全性、長寿命、低温性能、急速充電、高入出力、大実効容量の特長を持っています。
・ペロブスカイト太陽電池の研究開発や事業化は活発で、世界規模で激しい競争になっています。
既にポーランドのサウレ・テクノロジー(Saule Technologies)が商業生産を開始したとアナウンスしています。
また、大面積化、高効率の成果では、パナソニックがガラス基板ではあるものの、804cm平方でエネルギー変換効率17.9%を
達成しています。
東芝は、これら競合各社の動向をにらみつつ、研究開発や製品化の前倒しを進めています。経営陣の力量が問われています。
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