[職場だより] 2021年04月27日 「品質第一」を言わない新会長に落胆
−東芝、社長交代の深層A−
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◆2018年4月1日、東芝の代表執行役会長CEOに車谷暢昭氏が就任しました(2020年4月1日には代表執行役社長CEOに就任)。
しかし社員にとっては知らない名前でした。職場では「三井住友銀行の副頭取をしてた人だ」という話が出たぐらいでした。
◆就任してすぐ車谷新会長は、20代の若手技術者を集めて、新事業・新商品のアイデアを出してもらう、
グループ・ディスカッション「若手Nextプロジェクト」を主宰しました。
各グループが討論の内容をまとめて、新事業・新商品の提案発表を行いました。それらについて車谷新会長が
コメントをしました。
このグループ・ディスカッションのようすは文書にまとめられ、全社内に配布されました。これを読んだ社員から心配、
落胆の声が次々に出されました。
車谷新会長が「新商品を出荷して、(品質・性能で)問題が起きたら、その時点で直せばよい」という主旨のコメントを
していました。
製造業は品質が命です。設計職場でも製造現場でもQC7つ道具などを使い、不良品を出さない作業に
日々真剣に取り組んでいます。品質トラブルを起こせば、修復に膨大な時間と費用がかかります。会社が
つぶれてしまいます。
◆車谷新会長は、東芝の売上高利益率(ROS)が低いと、さかんに言います。それは売上高利益率が高いほうが
良いに決まってます。
東芝のような電機機器、電子機器を製造する企業は、膨大な設備が必要です。したがって固定費はとても
大きくなり、売上高利益率は低くなる傾向です。
また公共事業は、相手側(官公庁)の予算や、競合見積りなどにより、売上高利益率が高くなりません。
車谷新会長は、IT企業の売上高利益率を引き合いにだしますが、IT企業の設備は主にパソコンです。
固定費が小さいので、営業利益率は高くなりやすいです。
東芝とIT企業では、事業環境が違い過ぎるので、比較はナンセンスです。
◆車谷新会長には、製造業の会社の仕組みを理解して、経営方針を出してほしいという意見が、
職場から出ていました。
《続く》
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