[職場だより] 2020年08月09日 世界を圧巻した東芝のノートパソコン「dynabook (ダイナブック)」を売却
        −粉飾決算発覚から5年、経営立て直しの捨て駒にされる−
 8月4日、東芝はパソコン事業を手がけるDynabook社 (旧社名 東芝クライアントソリューション社)の保有株式19.9%を、 シャープ社に譲渡したと発表しました。  これによりDynabook社はシャープ社の完全子会社になりました。
 歴史ある東芝のパソコン事業は、旧経営陣の不正行為を原因とする経営危機から、 会社立て直しの捨て駒としてシャープ社に売却されました。
 東芝が1989年に発売したノートパソコン「dynabook (ダイナブック)」は、世界的大ヒット商品となり、 2000年まではノートパソコンの世界シュア第一位を誇りました(最高時のシュアは33%)。  パソコンを製造していたのは、かつての青梅工場(東京都青梅市)、一番多い時は4,500人の労働者が働いていました。  工場には「青梅から世界へ」というスローガンが掲げられ、活気にあふれていました。
------------------------------------------------------
 東芝は原子力発電機事業などの赤字を隠すため、2009年度から決算報告を不正に処理して、 2015年4月に発覚するまでの7年間で、1,500億円を超える利益を積み増した粉飾決算を行いました。  2016年12月には原子力発電機事業部門の子会社「ウェスチングハウス社」の7,000億円の巨額損失も明るみに出ました。
 経営危機におちいった東芝は、従業員の解雇・リストラと、主要事業の売却を推し進めました。
・2016年 3月…東芝メディカル社(医療機器)をキヤノンに売却
・2016年 6月…東芝ライフスタイル社(白物家電)を中国マイディアグループ社に売却
・2017年 3月…東芝青梅工場(事業所)を閉鎖し敷地を売却
・2018年 2月…東芝映像ソリューション社(テレビ)を中国ハイセンスグループ社に売却
・2018年 4月…東芝病院を医療法人社団緑野会に売却
・2018年 6月…東芝メモリ社(半導体)をべインキャピタル社、他に売却
・2018年10月…東芝クライアントソリューション社(パソコン)の株式80.1%を、約40億円でシャープ社に売却
東芝の職場を明るくする会
連絡先 メール akaruku-tsb@kki.ne.jp