[職場だより] 2020年07月14日 賃金制度の見直しは人件費の削減が目的です。
−人事処遇制度(賃金制度)改定で識者に聞きました−
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今回(2020年4月)の人事処遇制度(賃金制度)の改定について、経済学の先生や、
賃金に詳しい労働組合の役員さんからお話を聞きました。
話の概要は以下のとおりです。
今から20年前の2000年ごろ、大手電機メーカーの日立、東芝、NEC、富士通などは、
いっせいに賃金制度を変え、成果主義賃金制度を導入しました。
そのときのスローガンは「成果主義賃金…仕事で成果を上げれば賃金が上がる」でした。
しかし、成果を上げても思ったように賃金は上がらず、賃金の上昇カーブは成果主義賃金前と比べて低く・悪くなりました。
会社側が支払う総人件費は増えていないことも分かり、成果主義賃金制度は従業員の賃金抑制が目的だったことが、
数年で明らかになりました。
今回の人事処遇制度(賃金制度)の改定は、年齢ごとのある程度の賃金保証も削り、
扶養加給・住宅手当的要素をなくし、新たに賃下げできる規程を導入するなど、
成果主義賃金制度と比べても、さらに従業員の賃金が抑制される内容です。
会社の儲け(利益)を増やすため、従業員の人件費を抑制・削減するのです。
2000年ごろから新自由主義の経営が行われるようになり、資本(株主)の利潤最大化を狙って人件費の抑制・削減が続いています。
このような人事処遇制度(賃金制度)の改定に無批判で賛成してしまう労働組合の態度には、非常に問題があります。
本来、そこで働く労働者が労働組合に結集し団結して、従業員とその家族が、
健康に生きていくために必要な賃金を要求しなければなりません。
労働組合をまともな組織として機能するようにするためには、そこに働く一人一人の組合員が声を上げることが求められています。
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