5年間で7000人の人員削減に心配の声
2019年01月16日 |
−職場アンケートの中間報告1−
東芝の職場を明るくする会は、「東芝Nextプラン(2018年11月8日)」発表以降、職場アンケートを行い、東芝再生を願う従業員の声を聞いてきました。
アンケートの中間報告第1回です。
アンケートで、「東芝Nextプラン」が5年間で7000人の人員削減を計画していることをどう思うか問うたところ、
68%の従業員が「安易な計画で納得できない」「人材活用を優先すべきだ」と答えました。
またこの問いに対する意見欄への書き込みも一番多くありました。
既にリストラが始まり、職場がまるごと別会社になるとか、部が消滅するなどと、具体的に記載がありました。
50才の職制の従業員の方は、次のような意見を寄せています。
●「5年間で東芝全体 7,000 名の人員削減が計画されている。定年や自主退職等の自然減だけでは達成きない人数と思われるうえ、
当 Nextプランが達成できる数値とは思えないことから、今後毎年人員削減が定常化していくのが心配である。」
明るくする会は、アンケートに寄せられた意見などを基に、リストラの計画や実態を調べてみました。
「東芝Nextプラン」と同時に発表された「構造改革に伴う早期退職優遇制度の実施について」では、
東芝デジタルソリューションズ社(TDLS)で2019年3月末までに60人を早期退職させるとなっています。
実態は、その他にスタッフ部門の約100名を東芝ピーエム社(TPM)に出向させる計画です。
またハードウェアの製造部門を解体して、約600名を移動させる計画です。
これらの計画が実施されると東芝デジタルソリューションズ社(TDLS)では、200名以上の人員削減になります。
該当職場の従業員は一様に不安の声を上げています。
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安易な人員削減を止めて、雇用を守る努力を
2019年01月23日 |
−職場アンケートの中間報告2−
アンケートで、「早期退職募集や人員削減について、どのように思いますか」と問うたところ、以下のような結果になりました。
・25%…中高年者をねらった安易な人員削減はやめ、退職勧奨はすべきでない。
・25%…本人の意向を尊重して再配置の話し合いをすべきだ。
・19%…ベテラン社員の経験・知恵を生かす力量を会社がもつべきだ。
・25%…やむを得ない。
【添えられていた意見】
●この先生活が不安、65才まで働きたい。
●人材活用を考慮してほしい。
●安心して仕事をしたい。
●人員削減の目的が見えない。
●東芝グループ会社全体で、人材の需給を調査し、適材な社員は移動して、活躍してもらう。
●(60才定年後の)雇用延長者は、仕事の能力は高く、しかも最低賃金で働いてくれるので、会社に欠かせない人材と思う。
●(60才定年後も)本人の意向が、引き続き働きたいということなら、(例えば)今までやってきた仕事の、マニュアル化、後輩への教育など、活躍の場はあると思う。
『人員削減はやむを得ない』と回答された方は、次のような意見を添えていました。
●若い人材を入れていくべきだ。 新しい考え方を取入れていくべき。
◎アンケートの回答集計から見えてきたのは、東芝の成長、発展に力をつくしたい。
誇りをもって働き続けたい。
会社は従業員の雇用を守るために努力してください。
という真剣な声でした。
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経営困難に至った原因を明らかにし、従業員の努力に報いよ
2019年01月30日 |
−職場アンケートの中間報告3−
「米国LNG事業と海外原発建設事業からの撤退ついてどう思いますか」の問いに、回答は次のようになりました。
・31%…賛成だ
・12%…賛成できない
・13%…分からない
・44%…責任を明らかにすべき
【添えられていた意見】
●今後の損失リスクをかんがみると、 撤退はやむを得ないと思われる。
●これら事業の立ち直りの計画が見えないので、継続は不安にしかならない。
●原子力は廃炉事業のみに集中し、撤退してほしい。再稼働を期待しているのは間違っている。
●これら事業を進めた経営責任(者)を明らかにして、賠償責任を果たしてもらいたい。
「東芝メモリ売却益1兆円で、自社株買いなど株主還元を強化することについて」の問いに、回答は次のようになりました。
・19%…納得できる
・44%…従業員に還元すべきだ
・25%…設備や開発の投資にまわす
・12%…どちらともいえない
【添えられていた意見】
●自社株買いで株主還元をするだけでは、東芝メモリを売却した意味が無い。
儲け本意に東芝株を買い売りするファンドを追い出してほしい。
●売却益で新しい事業に取り組む。
●経営困難ということで賃金がカットされてきました。 生活が厳しいです。 特別一時金の支給をお願いします。
●低賃金で働いている雇用延長者にも還元してください。
●株主様に還元し、信頼を取り戻すのが先。 従業員に還元したら東芝の評価がますます下がる。
◎回答集計から見えてきたのは、経営の不始末を起こした原因が明らかにされていない。
従業員の犠牲が続いている。
東芝の再生のための(新しい)事業活動に、取り組んでほしいという、従業員の前向きの気持ちでした。
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事業の企画力強化、具体化、および社風の改善が急務
2019年02月05日 |
−職場アンケートの中間報告4−
「東芝Nextプランで、東芝はサイバー技術とフィジカル技術を融合して社会的な課題の解決に貢献する企業になる、と言っていますが」
の質問に対する回答は、次のようになりました。
・12%…納得できる
・44%…抽象的で納得できない
・31%…他社の物まねだ
・13%…分からない
【添えられていた意見】
●今後必然とそうなっていく時代の流れであり、そういう企業でなければ、生き残っていけいないと思います。
●「東芝Nextプランで、社会的な課題の解決に貢献する企業」と言っているが、はっきり言って古い。
他社は先を見て既に実施している。 それだけ粉飾問題の年月は、東芝の成長を止めた、大きい事件だった。
●既に遅い、遅れている。
●具体性が全くなかった。逆に不安になった。
●社外向けの言葉でしかない。
「物言えぬ風土、上司に逆らえない空気、パワハラ、チームワークなどの問題が、再三指摘されていますが、改善が進んでいますか」
の問いに対する回答は、次のようになりました。
・13%…改善が進んでいる
・62%…改善が進んでいない
・25%…どちらともいえない
【添えられていた意見】
●社風を変えるのは社員一人ひとりですので、組織的に東芝グループ企業の間で人材交流を行って、様々な環境を経験させるようなシステムが必要に思います。
●AIもさらに進歩する時代、未来を見すえ、会社を成長させられる人材の育成をお願いしたい。
●仕事ができない人が上にたっても何も変わらない。
●年功序列の考え方を変えるべきだ。人材を良くしていくべきだ。
●改善のシステムが機能していない。
●上司からのパワハラが続いている。
「東芝労組に何を期待しますか」の質問に対する回答は、次のようになりました(複数回答)。
・56%…配置転換、出向、転籍では個人の意思を尊重する
・38%…賃上げを頑張る
・25%…「緊急対策」の減収分を特別一時金で要求する
・13%…気軽に相談できるようにしてほしい
◎回答集計から見えてきたのは、原子力事業へ投資を集中させた、バランスを欠いた経営が続いたため、
他の事業が資金不足などで、他社や時流から遅れてしまったこと。
社会を震撼させた粉飾決算への対応、処理で人と時間の浪費が続いたことなどで、東芝が厳しい状態にあるなか、
それを乗り越えて行こうとする従業員の真摯な姿でした。
経営陣の職場に目を向けた奮起、労働組合役員の自主性の発揮が願われています。
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