[職場だより] 2019年11月29日 賃下げも導入する、今回の賃金制度の改定
        −賃金は、自分と家族が生活する金額が必要です−
 今回の賃金制度の改定(人事処遇制度の改定)は、年功的と呼ばれている賃金の基礎部分をさらに引き下げて、 賃金総額を抑制するのがねらいです。  そしてこれまでには無かった、賃下げも導入されます。
 会社は、賃金制度改定提案の目的を、労務構成の高齢化が進んでいる。  若手層、キャリア採用者がこれまで以上に活躍していくために、年功的な賃金の仕組みから脱却するため。  と述べています。
 人員構成でいま50代の従業員が多いのは、この人たちが東芝に入社した1980年から1990年の時期は、 日本は経済が好況で、東芝の経営状態も非常に良好でした。  事業拡大や、人手不足解消のため、毎年1000人を超える新入社員を採用しました。  そして即戦力として活躍し、残業や休日出勤もこなし、会社の発展につくしてきました。  今もつくしています。  この人たちも原則60才で定年退職されますので、年々労務構成は若返っていきます。 (定年延長や再雇用が行われるようになった場合、賃金は別の体系になると思われます。)
 現行の成果主義賃金制度でも、賃金の上昇カーブは、45才になると右肩上がりから水平に変わるようになっています。  現行の成果主義賃金制度は導入から20年たっています。  それ以前の年功型賃金の従業員は、もういません。
 また、活躍されて成果を出した従業員がいれば、若手でも中高年でも差別なく、 会社側の主観を廃し、客観的に公平に評価し、現行賃金制度の高い評価のEランクを付ければ、 ボーナスや4月の賃金改定時に、金額で報いることができます。  キャリヤ採用者については、入社時に賃金を決めるので、そのとき話し合ってお互いに納得できる金額にすれば良いわけです。
 会社は賃金制度改定提案の理由で、中高年の従業員の賃金が、若手層、キャリア採用者の活躍を阻害するかのように述べていますが、 次元の違うことをくっ付けて、賃金を下げようとするひどい話です。
 もともと賃金は、本人と家族が生活するために必要な金額で決める、生活給が基本です。  電機産業で働く労働者の賃金は、他の製造業の労働者と比べて安いので「生活残業」と呼ばれる残業をして、 その残業代を生活費の補填にしてきた歴史があります。  私たちの先輩の従業員の皆さんが、毎年春の春闘で「生活できる賃金を!」のスローガンを掲げ、賃上げを会社に要求し闘ってきました。  そして今の賃金額を勝ち取りました。会社(経営側)は、あれこれと理由を付けては従業員の賃金を削り、 自分たちの取り分(利益)を増やそうとしています。
東芝の職場を明るくする会
連絡先 メール akaruku-tsb@kki.ne.jp