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[職場だより] 2019年10月15日 株主至上主義を見直し、従業員にも公正な賃金を支払う
−米経営者団体の新行動原則の内容−
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8月26日に、このホームページに掲載した、米経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」の新行動原則の内容を、詳しくお知らせします。
米経営者団体は、1997年に「企業は主に株主のために存在する」との原則を採用して、企業経営を行ってきました。
今回(2019年8月19日)この考えを大きく変えた、新行動原則「企業の目的は、すべての利害関係者に奉仕する」を公表しました。
利害関係者として@顧客、A従業員、B供給業者(部品など)、C地域住民、D株主の5者をあげています。
@顧客に価値あるものを届ける。
A従業員に公正な給料を支払い、彼らの技術や能力の向上に注力する。
B供給業者(部品など)と公正かつ真摯に取引し、大小を問わずほかの企業との良き協力関係に寄与する。
C地域住民に貢献し、企業活動を長期に維持可能とすべく環境を保護する。
D株主には長期の価値を生みだし、透明性を保ち、効果的な関係を維持する。
新行動原則では、企業経営を通じて、企業、地域、国の将来的な成功のために、それらすべての価値をかなえることに関わるとしています。
1997年に採用した「企業は主に株主のために存在する」との原則によって22年間にわたり企業経営が行われてきました。
その結果、企業の利益が株主ばかりに還元され、賃上げや人材育成に回っていないという批判の高まりました。
また「企業は主に株主のために存在する」という新自由主義的経済理論によって、規制緩和と金持ち優遇税制が行われました。
それにより、一部の富裕層が巨万の富を築き、一方で多くの市民の間に貧困が広がり、貧富の格差が極端に開きました。
それは社会的にきわめて不安定な状況がつくりだされるという問題を起こしました。
こうした社会の不安のまん延を、米大手企業の経営トップで構成する経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」も実感し、企業経営のあり方を見直おさざるをえなくなったのです。
東芝も1997年の「企業は主に株主のために存在する(株主に利益を還元する企業に)」という原則で経営を行ってきました。
株主へ配当金を増やすため、目先の利益を上げる事業ばかりに目を向け、儲からない事業の 切り捨て、人件費、 開発費の削減などをどんどん推し進めました。
儲けを優先する経営は、リスクの高い原子力発電事業に傾注し、結果は破綻しました。
東芝も、急ぎ経営の在り方の見直しが望まれます。
リストラで人減らしばかりするのではなく、人材は会社の宝として、大事にする経営が求められます。
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