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[職場だより] 2019年10月02日 東芝、賃金制度の改定進める
−成果賃金を押し出すが、賃金総額の抑制がねらい−
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東芝は賃金制度の改定を進めていて、2020年4月1日から実施するとしています(一時金については2019年12月支給分から実施)。
改定の理由として、年功的な仕組みの見直し、仕事上の役割・業績貢献に応じた報酬にする、を挙げています。
一時金については、会社業績をより反映するとしています。
◇今回の賃金制度の改定は、現行の成果主義賃金制度(2000年に導入)の不備な部分の手直しを行っていますが、ねらいは、
年功的と呼ばれている賃金の基礎部分をさらに引き下げ、賃金総額の抑制です。
◇現行の賃金制度は2000年に導入された成果主義賃金制度です。
成果主義賃金制度によって、従業員と職場は苦難が増しました。
その事例を以下に記します。
●2000年の導入時「成果を上げれば賃金が上がる」と大々的に説明が行われました。
同時に、それまでの年功序列型の賃金体系を見直し、45才到達時から賃金の基礎部分は上がらなくなりました。
成果の評価は、年度の初めに決めた高い成果目標(目標管理シー トの作成)に対して、到達度を半期(6ヶ月)ごとに採点し、
点数で成果が出た出ないの判断を行います。
ミスなく普通に仕事をした場合、点数は最も低い点数になるようになっています。
したがって、成果を上げるには、普段でも無理な製品開発の工程や納期を、短縮しなければなりません。
しかし、最初から 無理な納期が決められているのですから、それをキープでき る労働者はいません。
目標(工程・納期)を達成するため、長時間労働がまん延しました。
家に帰らないで徹夜で仕事をする労働者が出ました。
1ヶ月の残業時間が200時間を超えた労働者もいました。
労働者は競争させられ、連帯が失われて行きました。
成果が上がる仕事、目立つ仕事だけをするようになりました。
データ整理、計測機器管理、お客さまからのクレーム対応 など、職場になくてはならない仕事は、地味なこともあり 低い評価になり、
立場の弱い労働者や、人のよい労働者に回されました。
結果は、「成果を上げれば賃金が上がる」という説明で、成果主義賃金が導入されましたが、賃金は上がらず、
メンタル障害(うつ病など)が増えて、職場が荒廃しました。
●成果主義賃金制度が導入されるまでは、職場の同僚や 先輩と学び合い、技術の交流・向上を図るのがあたりまえでした。
上司と率直な意見交換をして、仕事が進められました。
また、そういう職場をつくるのが、みんなの願いでした。
このような職場は、働く人の意欲や創造力が発揮されて、仕事に打ち込めるようになります。
それは優れた技術、高い製造品質作りにつながり、会社の発展につながります。
◇今回の賃金制度の改定は、現行の成果主義賃金制度の不備な部分の手直しを行っていますが、
ねらいは、年功的と呼ばれている賃金の基礎部分をさらに引き下げ、賃金総額の抑制です。
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