[職場だより] 2019年08月26日 株主至上主義を見直す
−米経営者団体が新行動原則公表−
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米大手企業の経営トップで構成する経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は8月19日、これまでの「株主至上主義」を見直し、
従業員や顧客、取引先、地域社会を含むすべての利害関係者の利益を重視する新たな行動原則を公表しました。
米国では、企業の利益が株主ばかりに還元され、賃上げや人材育成に回っていないとの批判が高まっており、行き過ぎた「米国型資本主義」の修正を図ります。
新原則には、ラウンドテーブルの会長を務める金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO) のほか、
IT大手アップルやアマゾン・ドット・コムのCEOら、合計181人の経営トップが賛同しました。
ラウンドテーブルは1978年以降、コーポレートガバナンス(企業統治) の原則を公表。
1997年からは「企業は主に株主のために存在する」との原則を採用してきました。
東芝は、ビジネス・ラウンドテーブルが1997年に示した「企業は主に株主のために存在する」との考えを、
西室 泰三氏(社長期間1996年6月〜2000年6月)、西田 厚聰氏(社長期間2005年6月〜2009年6月)らは、
そのまま経営に取り入れて、東芝の新しい経営方針として「株主に利益を還元する企業に」というスローガンを 掲げ、
株主への配当を増やすことが第一義的にしました。
目先の利益を上げる事業ばかりに目を向け、儲からない事業の 切り捨て、人件費の削減、 将来の製品開発に使う開発費の削減など をどんどん推し進めました。
削り取った費用は、当期利益として計上し、株主への配当金になりました。
儲けを優先する経営は、リスクの高い原子力発電事業に傾注し、結果は破綻しました。
その時期に、日本の著名な経営者が、東芝の経営破綻について、マスコミのインタビューに「企業は株主のために存在するという経営を、
そのまま日本の企業活動に取り入れたのは(早急で)問題があっのでは」と答えていたのが思い出されます。
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