[職場だより] 2017年09月03日 上司にモノが言えない社風を作った(2)
−東芝の労務管理と秘密組織「扇会」の検証(2)−
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扇会は、会社の言いなりにならない、自主的な労働組合運動をする社員を、徹底的に排除する活動を行いました。
自主的な労働組合運動をする社員を監視するため、昼休みなどの休憩時間には、話をした相手のチェック、
会話内容の立ち聞き、退社時には尾行までしました。
私生活を調べて、本人や話し相手を呼び出し、○○のところに行っただろうとか、○○との付き合いをやめろとなどと、
干渉や恫喝をおこないました。
扇会のメンバーの中には「(東芝青梅)工場の門を入ったら、(日本国)憲法は通用しない」と言うものまで現れました。
人権やプライバシーを平然と侵していました。
地域で写真サークルに入っていた、Nさんは勤労課に呼び出されました。
Nさんが呼び出された応接室に行くと、会社の勤労課員と警察官が待っていました。
そこで言われたのは「カメラの盗難の届けがあり、その調査を行っている。あなたも疑われている。」と言うのです。
警察官は、東芝青梅工場のある青梅警察署から来ていました。
Nさんは東京都小平市に住んでいました。
地域的に離れていて、どう考えてもカメラの盗難とは、関係ありません。
その当時Nさんは、労働組合の職場委員をしていました。
会社の脅しによって、Nさんは退社しました。
扇会のメンバーが、憲法違反の活動するまでになったのは、会社の教育でした。
@一つは利益誘導です。昇給、昇格を良くする、速くするという方法です。
Aもう一つは、外部講師などを招いての徹底した、排外主義、反共主義の教育でした。
排外主義、反共主義は、日本の戦前の軍国主義、ドイツのナチス時代の国民監視、暴力支配をもたらした考えです。
自分と意見が違うものを排除する方法です。
いま青梅市議会議員をしている東芝社員は、扇会メンバーで、元労働組合委員長でした。
この社員は「共産党から会社を守るため労働組合役員になるんだ」と言って役員になりました。
「共産党から会社を守る…」という理論的根拠は何もありません。排外主義、反共主義はこういうものです。
いまの東芝の経営危機は、会社の経営陣によってもたらされた事実から見ても、排外主義、反共主義は、
支配者や経営者に都合のよい考えです。
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