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[職場だより] 2017年08月27日 上司にモノが言えない社風を作った(1)
−東芝の労務管理と秘密組織「扇会」の検証(1)−
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東芝は8月10日に「2017年3月期決算の有価報告書」を提出し、東証の上場廃止はひとまず回避できました。
しかし監査法人は、不正会計などを防ぐ仕組みが整っているかを評価する「内部統制報告書」について「不適正」との意見を表明しました。
東芝は、不正会計防止のための仕組みは持っていましたが、機能しなかったのです。
これについてのマスコミや有識者、世論の論評は、上司にモノが言えない社風、お親方日の丸の体質、社長のワンマン的性格など挙げています。
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東芝は1960年代後半から、労務管理のため(元)公安警察官を雇い入れ、その指揮の下で、労働者を監視するための秘密組織「扇会」を作りました。
一般の普通の社員が、会社の勤労課員などに誘われて「扇会」に入りました。
「扇会」に入ると、賃金の昇給、社員資格の昇格などが良くなる、速くなるなどの労務管理手法がもちいられました。
会社は「扇会」メンバーに、反民主主義、反労働組合の教育を徹底的に行いました。
外部講師を招いて1泊2日の研修もさかんに行われました。
扇会は東芝の各工場(事業所)ごとに作られていたので、各工場の扇会の活動を掲載した機関紙「おおぎ」を発行しました。
また各工場の扇会の代表が年に数回集まり、活動交流会も開きました。
扇会は、労働者の言動を監視して、自主的に労働運動をする労働者を、労働組合の役員、代議員、職場委員から排除する。
扇会メンバーが役員、代議員、職場委員になって、労働組合を「第2勤労部」と言われる組織に変質させるなどの活動を行いました。
明るい会は、東芝青梅工場(事業所)で働いていたTさんを訪ね、扇会について聞きました。
(Tさんは現在は東芝青梅工場を退職されています。) Tさんはリベラルな考えを持ち、労働組合の職場委員もされました。
そのため扇会から監視され、扇会のメンバーから直接「職場委員を辞めろ」と恫喝されたことが何度もあったそうです。
扇会の労働者監視の方法を語ってくれました。
●会社の昼休み、食堂前で本を売る本屋さんのところで、社員が購入する本を調べている。
ある社員が本屋さんで「人生手帳」という雑誌を買ったら、勤労課に呼び出され、買った理由などを聞かれ、
遠まわしに「あなたのためにならないからから、購読しないように」と圧力を受けたそうです。
「人生手帳」という雑誌は、いまで言うなら、健康を保つために良い食事をしましょうという目的で編集されていました。
社会問題を取り上げた随筆も掲載されていたので、会社が干渉したのです。
●寮の部屋に侵入し私物を検査する。
寮に住んでいたTさんの部屋に、日中侵入して私物の検査をしたそうです。
朝会社に出勤すると部屋には誰もいないので、侵入するのです。
部屋に侵入されているという証拠を取るため、Tさんは、入口のドアを開けたところの床に、
粉石鹸を薄く気付かれないように撒いて、置いていたそうです。
帰宅して、侵入者の足跡を確認したとのことです。
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東芝の労務管理と秘密組織「扇会」の検証については、随時記載して行きます。
Tさんや、他の方の証言も聞いておりますので、適切にまとめてご報告します。
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