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道の傾斜がきつくなってきますが、私たちは、谷川のせせらぎを 聞きながら登って行きます。疲れが感じられるころ、一気に急斜面 になり道路の丸い溝の滑り止めが恨めしくなってきます。その時、 異様な音が、「こんどは、おなら?」とM女史。満員のバスがエン ジンを噴かしてみんなを追い抜いていきました。 |
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額の汗をぬぐった手の先の正面にケーブルカーの赤い鉄橋が現わ れ、バスから吐き出されたハイカー、男、ご婦人、子供がケーブル カーの改札に吸い込まれて行きます。私たちは左手に折れてせせら ぎに架かる石橋を渡り、石柱の鳥居をくぐって、御嶽神社への参道 に入ります。その前に、ここで一休みしましょう。 |
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ここには集落があり、民宿や宿坊がたくさんあります。通りは人
で一杯、若いの、年寄り、娘さん、おじさんが入り乱れています。
その間を縫って、古木のある急坂を登ると仲見世通りになり十軒足
らずですが繁盛しているようです。
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手水所で清めてから、山門をくぐり階段を上って行くと神殿があります。
神様を拝む人、記念撮影をする人、周りの景色を楽しむ人、それぞ
れです。私たちはここまで歩いてきたことへの感謝を込めて下界に
手を合わせました。 「南無阿弥陀仏」、「そうじゃないでしょう」、「三三七拍子じゃない の、このようにするのよ」、「アーメンじゃないの、しつこいわね、 アーメンは違うの」廻りが慌しくなりM女史の頬に冷たい雨が二滴 あたりました。「あら、いやだは、傘忘れちゃった」。 帰りは、疲れもあるので、ケーブルカーとバスを使って御嶽駅ま で降ります。駅前近くの蕎麦屋でビールと天ぷらそばにて疲れを癒 してからそれぞれのお家へ帰りました。そして、みんな満足でした。 |